母校の生徒、同級生ら歓喜 吉野さんノーベル化学賞

関西
社会・くらし
2019/10/10 11:48 (2019/10/10 17:03更新)
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吉野さんの母校、大阪府立北野高の正門に掲げられた横断幕の前を登校する生徒(10日午前、大阪市)=共同

吉野さんの母校、大阪府立北野高の正門に掲げられた横断幕の前を登校する生徒(10日午前、大阪市)=共同

旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)のノーベル化学賞受賞決定から一夜明けた10日、母校や教授を務める大学では後輩や学生が喜びの声を上げた。母校の児童生徒は「自分も世の中の役に立ちたい」と興奮した様子。大学生も「壁にぶつかってもやめてはいけないと励まされた」と感銘を受けたという。受賞内容の説明を聞いた子どもらは「すごい技術」と目を輝かした。

▼母校

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「受賞おめでとうございます」。吉野さんの母校、大阪府立北野高校(大阪市淀川区)では10日朝、同窓会が急きょ作成した横断幕が校門横に張り出された。

吉野さんの開発したリチウムイオン電池は携帯電話やパソコンなどの機器に欠かせない存在。3年の前川佐翔志さん(18)は「世界で必要とされる技術を開発した人の後輩になれて誇らしい」と話す。農業関連の研究者を目指しており、「作物の生産量を増やす研究で自分も世界に貢献したい」と声を弾ませた。

吉野さんが通った同府吹田市立千里第二小でも喜びが広がった。3年の女児(9)は「まさか自分の学校の卒業生がノーベル賞を受賞するとは思わなかった」と興奮した様子。「自分も得意の図工で絵が表彰されるように頑張ります」と笑顔で話した。佐野賢治校長(52)は「自分の好きなことを学んで、それぞれの道で一流になってほしい」と話した。

吉野教授のノーベル化学賞受賞決定を祝う垂れ幕が掲げられた名城大学のキャンパス(10日午前、名古屋市天白区)

吉野教授のノーベル化学賞受賞決定を祝う垂れ幕が掲げられた名城大学のキャンパス(10日午前、名古屋市天白区)

▼名城大

吉野さんが2017年から教授を務める名城大(名古屋市)は10日午前9時、「祝 ノーベル賞受賞」と祝福する垂れ幕を校舎に掲げた。集まった学生らが「おめでとうございます」と歓声を上げ、朝のキャンパスが拍手で包まれた。

理工学部1年の男子学生(19)は「学内に素晴らしい先生がいるのは励みになる。今は基礎的な授業が中心だが、自分もいずれはリチウムイオンの研究をしてみたい」と夢を膨らませた。

農学部4年の女子学生(22)は今春から取り組んでいる菌の培養に苦戦中。9日夜の記者会見で吉野さんが「執着心が必要」と語っていたことを挙げ、「正直諦めそうになっているが、壁にぶつかってもやめてはいけないと励まされた」。吉野さんの言葉を胸に、この日も早朝から研究室に向かった。

▼科学未来館

吉野さんの受賞を受け、日本科学未来館(東京・江東)は10日午前、リチウムイオン電池について説明するトークショーを開いた。修学旅行などで訪れた子どもたちで約40席は満席になり、リチウムイオン電池の仕組みを示すプロジェクター画面を夢中で見つめた。

静岡県伊豆の国市の小学6年の女児(12)は「生活に欠かせない携帯電話に使われているなんてすごい」と驚く。「理科の授業は苦手だけど音楽が好き。将来は楽器屋さんになって吉野さんのように人の役に立つ仕事をしたい」と話した。

新潟県高田市から訪れた男子高校生(17)は、現在の電気自動車に不可欠な技術が20年以上前に開発されたことに感銘を受けたといい、「研究者として圧倒的な実力を感じた」と話す。進路は理系を希望しており、「何年たっても人の役に立つ技術を開発してみたい」と力強く話した。

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