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吉野さん「反響びっくり」 ノーベル賞、夫婦で会見

(更新)

ノーベル化学賞の受賞が決定した旭化成の吉野彰名誉フェロー(71)は10日午後、東京・日比谷の帝国ホテルで記者会見した。吉野氏は「お祝いの言葉をたくさんいただき、反響のすごさに驚いている」と受賞の実感を改めて語った。企業所属の研究者では2002年の田中耕一氏以来。受賞決定から一夜明けて「本当だったと実感した」などと喜んだ。

10日午後の記者会見に同席した妻の久美子さん(71)は「今年もダメ、今年もダメと言われ、いつになるんだろうと思っていた。ようやく解放されて安心できた」と胸をなでおろしていた。

吉野氏は10日午前9時前、同社本社(東京・千代田)に出社、「最高です」と笑みを浮かべた。昨夜は梅酒を1杯飲んで「ぐっすり眠れました」と疲れを見せなかった。

日本のノーベル賞受賞は18年の京都大学の本庶佑特別教授に続き27人目(米国籍を含む)。化学賞の受賞は10年の根岸英一氏、鈴木章氏に続き計8人となる。

出社後に吉野氏は花束を受け取ると「皆様の子どもさんが『お父さんの会社ってすごいね』などと喜んでくれるのが一番うれしい」と話した。

吉野氏は10日午前、日本経済新聞社の単独インタビューに応じた。企業研究がノーベル賞の受賞につながったことについて「企業研究は論文として表に出ないことが多く評価されにくいが、今回は特許で発明の証拠を示せた。ノーベル賞の委員会が特許まで見てくれたのであれば、ありがたい」と喜びの声を語った。

授賞理由となったリチウムイオン電池の開発によって小型・軽量で高出力の蓄電池が実現。スマートフォンなどIT機器や電気自動車(EV)の普及を可能にした。吉野氏は「企業では基礎研究から製品化まで一気通貫で研究できたことが幸せだった」とした。

吉野氏は企業がより重点的に基礎研究すべきだと強調。「GAFAのような企業に『J』が付くようなベンチャーが生まれてほしい」と日本企業にエールを送った。

記者会見で笑顔を見せる旭化成の吉野彰名誉フェロー(左)と妻の久美子さん(10日、東京都千代田区)

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