トルコ、クルド勢力への「攻撃準備完了」 米は妨害も

2019/10/9 18:44
保存
共有
印刷
その他

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ国防省は8日、シリア北東部を掌握するクルド人勢力への攻撃作戦の準備が「完了した」と表明した。同勢力の補給路を断つためにイラクとシリアの国境地帯をすでに攻撃したとの情報もある。大規模な戦闘に発展する懸念が高まっており、米軍はシリア北東部の空域からトルコ軍を事実上閉め出すなどの妨害策に出ている。

トルコ南部のシリアとの国境に向かうトルコ軍の装甲車(7日、ゲッティ共同)

トルコメディアは装甲車が移動する様子を生中継し、クルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」への攻撃が近いと報道している。ロイター通信は8日、トルコ軍がシリアとイラクの国境地帯への攻撃を行ったと報じた。

これに対し、SDFを支援してきた米軍は、対テロ作戦に参加する各勢力の飛行を調整する情報網や作戦任務からトルコ軍を外した。国営アナトリア通信が報じた。米国防総省の報道官が7日、「作戦任務に参加していなければ空域での飛行は難しい」と述べ、シリア北東部の空域から事実上トルコを閉め出したことを明らかにしたという。

空からの援護なしに大規模な地上部隊の移動は難しく、トルコ軍が作戦を強行すれば犠牲が大きくなる可能性がある。米側には、トルコ軍に攻撃を思いとどまらせる狙いがあるとみられる。

トルコはSDFを自国の安全を脅かすテロ組織と見なしており、国境からシリア側へ約30キロの位置まで「安全地帯」を設けてSDFを排除することを目指している。8月に米国と安全地帯の設置で合意したものの、実施が遅れていることにいら立ちを強め、軍事作戦の準備を進めることで圧力をかけようとしてきた。

6日にトルコのエルドアン大統領と電話会談したトランプ米大統領はシリアからの米軍撤収を表明し、トルコ軍の対SDF作戦を容認する姿勢を見せ、米議会や軍の猛反発を受けた。トランプ氏はその後に自らの発言を修正した経緯がある。トランプ氏とエルドアン氏は11月13日、米国で開く首脳会談でシリア情勢などを協議する。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]