ソニーとMSのゲーム次世代機、クラウドとの共存模索

2019/10/9 19:30
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ソニーと米マイクロソフトは家庭用ゲーム機の次世代機を2020年末の商戦でそれぞれ投入する。ゲーム産業の主流がインターネットを通じて楽しめる「クラウドゲーム」に傾きつつあるなか、ハードにこだわる姿勢を貫く。一方、両社は初心者などをクラウドゲームで獲得しつつ、その後にハードの顧客に育てるという「ネットとハードの共存」も模索する。

ソニーが投入するのは「プレイステーション(PS)」の次世代機「PS5」だ。ゲーム子会社、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が発売する。

高精細映像の「8K」に対応するほか、ゲーム内の触感や衝撃をコントローラーの振動で再現する技術を取り入れた。仮想現実(VR)ゲームが楽しめるヘッドマウントディスプレー「PSVR」にも対応し、ゲームへの没入感を重視する。

マイクロソフトも「Xbox」の次世代機を同時期に発売予定だ。PS5と同じく8Kに対応し、画像データ処理能力などを高める。初代Xboxから全ての世代のゲームをプレーできる。

一方、ゲーム業界ではIT大手の米グーグルがクラウドゲームに参入する。SIEのジム・ライアン社長は対抗策として「次世代ハードを基盤にして、同時にクラウドへの移行も組み合わせる」と語る。ソニーはクラウドゲームも手がけており、これをハードと連携させる戦略だ。

クラウドゲームは専用機にこだわらず、スマホなど多くの端末で利用できるのが特徴だ。端末の垣根を越えた戦略には成功例がある。米エピック・ゲームズが発売したシューティングゲーム「フォートナイト」だ。SIEは当初、同ゲームでPSとスマホなど他の端末とのクロスプレー(対戦)を許可していなかったが、ユーザーの強い要望で解禁した。スマホでゲームを試した後、PS4を購入する利用者が続出した。

現在はゲーム専用機の路線を堅持している任天堂も、クラウドゲームが本格的に台頭すれば「マリオ」などの自社コンテンツが強い武器になり「ソフトの供給を考えるのではないか」(大和証券の鈴木崇生シニアアナリスト)との見方がある。マイクロソフトもクラウドゲームの実験を始めると表明済みだ。クラウドを入り口に関心を持ってもらい、専用機のファン獲得につなげる戦略がうまく循環するかが注目される。

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