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「風の谷のナウシカ」歌舞伎に 全7巻の漫画が原作

「風の谷のナウシカ」といえば、スタジオジブリの代表作であり、20世紀後半の日本を代表するアニメ映画の1本だ。ファンも多いが、同作は宮崎駿監督自身が描いた原作漫画(全7巻)の一部を抽出して作られている。原作には、さらに壮大な物語が展開されている。

12月公演でナウシカを演じる菊之助(中央)、クシャナを演じる七之助(左)と、スタジオジブリの鈴木プロデューサー

この作品が新橋演舞場(東京)で歌舞伎になる。昼の部、夜の部の「通し上演」で、長大な漫画の世界を表現する。公演期間は12月6~25日。昼夜合わせて8時間にも及ぶ舞台になる可能性がある。新作の歌舞伎は通常、長くても昼夜どちらかの部だけで終わることが多く、昼夜を通すのは「江戸時代以来かもしれない」(松竹の安孫子正副社長)という。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」のチラシ

スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「ナウシカは、宮崎駿が自分の全てをつぎ込んだ一番大切な作品。その後の彼の作品は、どれもナウシカの一部を作品にしたともいえる」と話す。実写版などさまざまなオファーを、これまで全て断ってきたが、今回の歌舞伎の話には「やろうよ」と言ったという。

この公演の企画者の一人で、ナウシカを演じる尾上菊之助は「宮崎さんは1980年代前半、日本がバブル経済へ突き進もうとするときに、この作品でディストピアを描いた。作品に登場する戦争や、環境問題、遺伝子操作などのテーマは、今の方が身近だ」と原作の現代性を語る。

ヒロインが空を飛び、王蟲(オーム)など巨大な生物や多様な民族が登場する神話的な世界と、古典との「合流地点をどう探すか」(菊之助)が課題になるという。菊之助のナウシカと、中村七之助が演じるクシャナの生き方の対比を軸に全体を構成し、衣装や音楽に、和装や和楽器を取り入れる。宙乗りや立ち回りなど、歌舞伎にあるさまざまな演出を使うという。

(瀬崎久見子)

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