台風15号で屋根被害 「一部損壊」に国の支援拡大

2019/10/9 2:00
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台風15号が千葉県などに深刻な被害をもたらしてから9日で1カ月。同県内の住宅被害は強風で屋根が壊れるなどした一部損壊が9割超を占めた。形式的に一部損壊でも生活に大きな支障が出るケースがあるため、政府は支援対象の拡大を決め、これを機に恒久制度化することにした。

千葉県内では今も壊れた屋根にブルーシートを張った住宅が目立つ。約100社が加盟する県瓦工事業組合によると1社当たり400件程度の修理依頼があり「このままでは全戸の修理に3~4年かかる」と担当者は話す。

大型で猛烈な台風19号が12日からの3連休に接近する恐れもあり、修理を待つ同県鋸南町の女性(71)は「天井にしみが出てきた。早く直してもらわないと」と焦る。

千葉県の7日時点のまとめでは、県内の住宅被害は3万4165棟。うち3万2065棟が一部損壊(損害割合20%未満)で、半壊は1905棟(同20%以上50%未満)、全壊(同50%以上)は195棟だった。

被災住宅に対する国の支援制度は主に2つ。被災者生活再建支援法に基づく制度は全壊に最大300万円、大規模半壊(同40%以上50%未満)に最大250万円を支給する。災害救助法に基づく制度は大規模半壊と半壊に応急修理費として最大59万5千円を支給する。従来どちらの制度も一部損壊は対象外だった。

だが、屋根が壊れて雨漏りを起こすと建物が傷んだりカビが発生したりし、形式的には一部損壊でも実質的な被害は大きいケースがある。

このため、政府は災害救助法の支援対象を拡大し、雨漏りがひどくて使用できない部屋がある場合などに一部損壊でも上限30万円を支給することにした。内閣府が告示を改正し、2019年度以降に発生した災害を対象として恒久制度化する。

今回は、より被害が小さい住宅も屋根の修理費を別の制度で補助する。

神戸大大学院の平山洋介教授(住宅政策)は「屋根の修理に数百万円かかるケースもあり、年金生活者や低所得者への支援は不十分だ」と指摘。「それぞれの被災状況や経済力を考慮して支援額を調整するなど、複眼的な視点での制度設計が求められる」と話す。

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