資生堂、スキンケアの米新興を買収
D2C強化 若者需要開拓

2019/10/8 22:30
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資生堂は8日、米新興スキンケア化粧品メーカー、ドランク・エレファント(デラウェア州)を買収すると発表した。買収額は8億4500万ドル(約907億円)で、年内に買収手続きを完了する。ドランク社は欧米で人気が高まっている天然成分の商品やソーシャルメディアを活用した若者への訴求方法に強みがあり、こうした強みをグループ全体に取り込む。

ドランク社は2012年に創業。18年の連結売上高は7500万ドル(約80億円)で、19年は1億2500万ドル(約134億円)を見込む。米国を中心に英国やオーストラリア、シンガポールなどでドランク・エレファントブランドのスキンケア商品を販売している。

ドランク社の特長の一つが、体や環境に優しい天然由来の成分を使用した「クリーン」商品だ。この分野は近年、欧米を中心に注目度が高まっており、資生堂は今後、他地域でも需要が高まるとみて商品開発に生かす。

資生堂はスキンケアを注力分野に位置づける。ただ「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」など日本発のブランドが中心で、グローバル展開を加速するため、海外発のブランドを求めていた。

ドランク社は消費者に直接アクセスするダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)にも強みがある。資生堂は7月、月額税別1万円で化粧液を利用者に届け、スマートフォンアプリを活用しながら肌の状態などに合わせて調合できるサービスを開始するなど、D2Cサービスに力を入れており、ドランク社のノウハウを取り込む。

調査会社ユーロモニターは、ドランク社の商品などが該当する高級化粧品の市場規模は2020年に12.8兆円で、うち46%をスキンケアが占めると予測。スキンケア商品はリピーターが多く、安定収益が期待できる。

資生堂は10年に米化粧品会社のベアエッセンシャルを約19億ドルで買収した。今回はそれに次ぐ2番目の高額買収とみられる。ただ、ベア社は競合の台頭などで売上高が伸び悩み、減損を余儀なくされた。老舗と新興の強みを持ち寄り、シナジーを発揮できるかが問われる。

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