静岡のサクラエビ秋漁、海域別に漁獲基準
記録的な不漁に見舞われたサクラエビの漁業者でつくる静岡県桜えび漁業組合は8日、静岡市で船主会を開き、23日をメドに解禁する秋漁の自主規制方針を決めた。駿河湾を3つの海域に分け、漁獲可能な基準を変える。翌年に親になる0歳エビをなるべく残し、資源回復につなげる。

湾奥、湾中部、湾南部に分け、それぞれ1歳エビ(体長35ミリメートル以上)の割合が75%、50%、30%以上なければ捕らない。1歳エビが比較的多い南部を中心に操業するようにする。春漁で主産卵場の湾奥に設定した禁漁区は設けないが「(基準が厳しく)湾奥は事実上の禁漁」(実石正則組合長)という。操業隻数の制限などは2018年秋漁の規制内容を踏襲する。
18年秋漁は史上初めて導入した自主規制を順守して1日も水揚げしなかった。19年春漁は水揚げ量が85トンと史上最低に落ち込んだものの、県水産技術研究所の分析で駿河湾内の卵の数は急回復していることが判明。組合は「自主規制の成果が出ている」(実石組合長)とみている。
同組合は19~22日に1回、全120隻を動員して湾全体で資源調査をする。漁を実施できる状況なのか最終確認し、秋漁に踏み切る方針だ。
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