中国国営テレビ、NBAの一部放送中止

2019/10/8 19:30 (2019/10/9 1:57更新)
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バスケットボールは中国で人気のスポーツだ=AP

バスケットボールは中国で人気のスポーツだ=AP

【大連=渡辺伸】米プロバスケットボール協会(NBA)の人気チーム「ヒューストン・ロケッツ」の幹部が香港の抗議デモを支持する内容をネットに投稿した問題で、中国国営テレビ(CCTV)は8日、NBAの一部放送を中止すると発表した。騰訊控股(テンセント)などネット大手もロケッツの試合放映や商品販売を中止しており、中国企業に影響が広がってきた。

CCTVは「中国の主権と社会の安定に挑戦する言論に対しては言論の自由はない」との声明を出し、中国で開催するプレシーズンの試合放映を一時停止すると表明した。米国で開かれる試合に対しては方針を明らかにしていない。中国外務省の耿爽副報道局長は8日、定例記者会見で「(ロケッツ幹部の発言は)中国人の民意を理解していない」と非難した。

NBAの放送を中継しているテンセント系列の騰訊体育も6日、ロケッツの試合放映を取りやめると表明した。アリババ集団の「天猫(Tモール)」や京東集団(JDドットコム)などのネット通販でもロケッツ関連の商品販売が中止されている。上海浦東発展銀行や中国バスケットボール協会もロケッツとの提携を一時中止すると表明ずみだ。

ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)のダリル・モーリー氏は4日、「自由のために戦おう。香港と一緒に立ち上がろう」とツイッターに投稿した。内容はその後削除されたが、中国のネット上で批判が殺到した。

一方、NBAのコミッショナー、アダム・シルバー氏は8日早朝(米東部時間)に発表した声明の中で、香港の抗議デモについて「NBAはチームの選手、従業員、オーナーの発言を制限しない」と強調した。

NBAは当初、モーリー氏の発言について「不適切」とコメントしていた。ただ、「発言を撤回させるとは恥知らずだ」(共和党のテッド・クルーズ議員)など共和、民主両党の議員から批判が相次いでいた。

混乱の収束に向け、NBAのシルバー氏は自ら声明を発表するに至ったとみられる。「我々は政治システムが異なる国々でもビジネスをしている」としたうえで、「NBAの強みは多様性にあり、互いの異なる点を尊重し合うことは重要だと考えている」と強調した。

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