JR東、常磐線で自動運転開始へ
JR東日本は8日、2020年度末に常磐線の綾瀬(東京・足立)―取手(茨城県取手市)間の各駅停車の車両で自動運転を始めると発表した。加速や減速を自動で行う自動列車運転装置(ATO)を活用する。同社がATOを活用するのは初めて。現在は運転士と車掌の2人が乗っているが、将来は乗務員が1人で運行することを目指す。
ATOは制限速度の範囲内で列車の加速や減速、停車などが自動でできる装置。山手線には列車の減速や停止をする自動列車制御装置(ATC)が採用されているが、加速もできるATOを活用するのは初めて。ATOは東京地下鉄(東京メトロ)や都営地下鉄の一部で使われている。
常磐線の各駅停車列車はすでにATOの搭載は済んでいる。東京メトロの千代田線と相互乗り入れしており、千代田線区間ではATOを使って自動運転しているためだ。ATOに常磐線の駅情報などをプログラミングするほか、常磐線の路線に位置情報を判別する装置などを付ければ運行できる。ATOの導入後にはホームドアも設置する。
運行開始時は現行と同じく運転士と車掌の2人が同乗予定だが、その後は運転士が1人で乗務するワンマン運転を予定する。ATOでの運行情報などを分析し、将来的には国家資格が必要な運転士が列車に乗らなくてもよい「ドライバーレス運転」の実現を目指す。