オートバックス、中古車の個人間取引 参入へ
点検・査定で「お墨付き」

2019/10/8 13:30
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カー用品大手のオートバックスセブンは、中古車のCtoC(個人間取引)仲介事業を2020年4月にも始める。売り手が中古車を同社に査定してもらった上で、インターネットで買い手を探す仕組みを構築する。CtoCサービスは「ガリバー」ブランドの中古車販売大手、IDOMなどが先行。米国などと比べて個人間取引が少ない日本の中古車市場が変わるか注目される。

オートバックスセブンは国内約400店舗で受け付ける車両の査定システムを活用し、中古車の個人間売買仲介を始める考え

オートバックスが検討する中古車の個人間売買仲介の仕組み

日本は他国と比べて中古車の個人間売買の比率が低い

オートバックスは国内約400店舗で運営する自社の車査定システムを活用する。車の売却を希望する所有者に店舗に持ち込んでもらい、エンジンなど部品の状態や事故の有無などを点検。クルマを買いたい個人は、オートバックスが「お墨付き」を与えた車両情報を見ながら購入を検討できるようにする。

日本の中古車売買は、クルマの個人所有者がまず中古車販売業者に売却し、業者間オークションなどをへて新たな個人所有者が決まるケースが多い。この場合、手数料など複数回の中間コストが発生。個人の売却額と購入額に「大きな差がでる」(オートバックス)ことがある。

これに対し、個人間取引では、中間コストは仲介業者が売買成立時に受け取る手数料の1回で済む。オートバックスは仲介事業の詳細を今後詰めるが、手数料は数万円になるとみられ、同社は「現行の中古車売買と比べて、中間コストの削減が期待できる」と話す。

一方、IDOMは15年9月に中古車の個人間取引仲介を開始。同社によると、月間の中古車出品台数は約9000台(今年3月時点)で、スズキの「ワゴンR」やダイハツ工業の「タント」など軽自動車や小型車の売買が目立つという。

IDOMは「取引価格は50万円以下が多い。安価な車ほど活発に取引される傾向にある」と説明する。今年4月には車の検索機能を拡充したり、車のセールスポイントの入力欄を追加したりして専用アプリを強化。オートバックスと同様、全国の「ガリバー」店で受け付ける車両査定を土台にした安心感を利用者に訴え、需要の掘り起こしを狙う。

中古車の個人間取引は、原則として消費税がかからないのが買い手にとって魅力だ。これまで車関連サービス大手のほか、メルカリやネット関連企業も個人間取引仲介サービスに参入した。オートバックスは「日本は中古車売買に占める個人取引の比率が低いが、今後は成長が期待できる」と話す。

国土交通省が14年に欧米と日本の中古車流通についてまとめた資料によると、日本の中古車売買に占める個人取引の比率は、6%。29%の米国や英国の42%と比べて、中古車業者を介した売買が大半を占める状況がうかがえる。国交省は、米国や英国の個人取引比率が高い背景について、両国では車両の走行距離や部品交換、事故の有無といった情報を追跡可能なサービスが浸透していることが一因とみる。

半面、日本での個人売買をめぐっては、走行距離の偽装や部品の欠陥の隠匿などを懸念する声もまだある。過去に国交省も中古車情報を記録、追跡可能にする仕組みを模索したことがあるが、足元は制度化に向けた具体的な動きは無い。日本の個人間売買市場の拡大には、車両情報の共有化が課題になりそうだ。

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