サムスン、減益でも半導体先手投資 底入れ感で攻め
中国工場スマホ向け増強

アジアBiz
2019/10/8 12:06
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ソウル郊外の平沢市では第2工場の建設が進む

ソウル郊外の平沢市では第2工場の建設が進む

【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子が半導体の設備増強に動き出した。8日発表の2019年7~9月期連結決算の速報値は営業利益が前年同期比で56%減ったものの、4~6月期と比べると17%増え、急速に悪化した業績に底入れ感が出てきたためだ。半導体市況の回復を見越し、中国の工場で生産設備の発注を始めた。競合が尻込みする間に積極投資して半導体世界最大手にのし上がった勝利の方程式を再び実践し次の成長を狙う。

ソウル郊外の平沢市では第2工場の建設が進む

ソウル郊外の平沢市では第2工場の建設が進む

7~9月期の営業利益は7兆7000億ウォン(約6900億円)で、4~6月期に比べると17%増益となった。売上高は前年同期比5.3%減の62兆ウォンだった。7~9月期の純利益や事業別収益は、10月末発表予定の決算確報値で公表する。市場では、18年夏以降に下落が続いていた半導体メモリー価格が下げ止まりつつあり、サムスンの業績に底入れ感が出てきたとの見方が出ている。

サムスンは市況の反転を見越して、中国西安市の既存工場向けにスマートフォンなどに搭載する最先端NAND型フラッシュメモリーの生産設備を導入する。新生産ラインは20年春にも稼働し、主に華為技術(ファーウェイ)など現地のスマホ工場に出荷する見通しだ。装置発注の金額は数千億円規模とみられる。

ソウル近郊の平沢(ピョンテク)工場でも増設を続ける。18年に着工した第2製造棟を建設中で、来春以降に製造装置を発注する見通しだ。

半導体メモリーの需要は16年秋ごろから急拡大し「スーパーサイクル」と呼ばれる特需が2年ほど続いた。その後市況が急速に悪化し、サムスンの半導体事業の投資は1年前と比べ3割減の水準で推移していた。それがここに来ていち早く次の好況期に向け動き出す。

一方で競合他社は回復が遅れる。決算期が8月末で9月下旬に業績発表したメモリー世界3位、米マイクロン・テクノロジーの6~8月期の営業利益は3~5月期比で4割減った。サンジェイ・メロートラ最高経営責任者(CEO)は「世界経済の先行きを懸念しており需要に合わせて供給能力を高める」とし、半導体の主要生産工程の投資額を20年8月期は3割減らす方針を示した。

韓国SKハイニックスはアナリスト予想では7~9月期も4~6月期に比べ減益となる見通しだ。東芝メモリから社名変更したキオクシアは4~6月期に続き7~9月期も赤字基調のもよう。

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