GE、米従業員2万人の年金凍結 最大8500億円債務削減

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北米
2019/10/8 2:48
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GEは債務圧縮の一環として現行の年金制度を凍結する=ロイター

GEは債務圧縮の一環として現行の年金制度を凍結する=ロイター

【ニューヨーク=高橋そら】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は7日、債務削減のため2021年1月から企業年金を凍結すると発表した。約2万人の米国の従業員が対象となる。年金の積み立て不足を50億~80億ドル(約5300億~8500億円)、純負債は40億~60億ドル圧縮できる見通し。

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すでに年金給付を受けている加入者は対象外とするほか、まだ受給を開始していない元従業員の一部に対しては一括払いの選択肢も提供する。GEは12年から企業年金制度への新規申し込みを受け付けておらず、今回はそれ以前に加入した人が対象となる。

GEが年金支払いの義務を負う退職者は数十万人にのぼり、米メディアによると年金制度は18年末時点で270億ドル(約2兆9000億円)の資金不足に陥っている。最大の負債の一つとされ、人事部門のトップを務めるケビン・コックス氏は同日発表した声明で「GEを強い立場に戻すには困難な決断を下す必要があった」と強調した。

ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)は19年を「リセットの年」と位置づけ、抜本的な財務再建策を相次ぎ打ち出してきた。年初には不振が続く電力事業で従業員の15%に当たる1万人を削減するリストラ策を発表。2月にはヘルスケア部門のうちバイオ医薬の検査機器などの事業を産業機械大手の米ダナハーに売却した。2兆円を超える売却資金は有利子負債の圧縮に充てる方針だ。

ただ、リストラ策以外の部分では成長の道筋を明確に描けていない。航空機部門では、米ボーイング向けの新型航空機エンジンの新規受注が減少した。8月には著名会計専門家のハリー・マルコポロス氏らから、保険部門の会計処理などで数十年にわたり不正を続けていると告発を受けた。

カルプ氏は「明らかな市場操作だ」と反論するが、株価は依然、さえない。7日の米ニューヨーク株式市場でGE株は前週末比一時1%下落した。20年から攻勢に転じられるか、カルプ氏の手腕が試されている。

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