中国、国慶節消費鈍く 小売り・旅行とも伸び率低下

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中国・台湾
2019/10/7 21:33
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国慶節休暇を利用した旅行者でにぎわう中国青海省の観光地

国慶節休暇を利用した旅行者でにぎわう中国青海省の観光地

【上海=松田直樹】1日に始まった中国の国慶節(建国記念日)を祝う大型連休が7日に終了した。商務省が同日発表した期間中の国内小売・飲食業の売上高は前年同期比8.5%増の1兆5200億元(約22兆8000億円)と、2018年(9.5%増)に比べ伸び率が鈍化した。景気減速を背景にした消費者の節約志向や人民元安の影響で旅行者数も伸び悩んでおり、国慶節消費にも減速感が漂う。

現行統計を始めた10年から伸び率は9年連続で低下した。中国の大型連休のうち、1~2月の春節(旧正月)は帰省先で過ごす人が多いのに対し、国慶節は国内外へ旅行に出かける傾向が強い。

内陸部の青海省。人気観光地の茶●(上の下に卜)塩湖は4日、多くの人でにぎわっていた。ただ、ツアーを企画した旅行会社の社員は「観光客で一日中行列が続くと思っていたが、途切れる時間帯もあり、想定より客数は伸びなかった」と表情は晴れない。

文化観光省によると、期間中の国内旅行者数は7億8200万人と前年同期より7.8%増えたが、18年(9.4%増)から伸び率は低下した。元安の影響もあって海外旅行も伸び悩んだもようだ。上海市の女性会社員(29)は「昨年の国慶節は欧州を旅行したが、今年は上海で過ごした」と語る。

長引く抗議デモの影響で、例年は人気旅行先の香港は大きく落ち込んだ。香港の入境管理局によると、国慶節期間中の出入境者数(予測ベース)は1日あたり73万7千人と前年比25%減となった。80万人を下回るのは9年ぶり。中国本土からの旅行客の減少が響いたとみられる。中国政府は8月以降、台湾への個人旅行も停止している。

受け皿になったとみられるのが日本だ。アリババ集団傘下で電子決済「アリペイ」を手がけるアント・フィナンシャルによると、期間中の海外でのアリペイの取引件数は日本がタイや韓国などを抑えて初めてトップとなった。

一方、低迷が続いた映画は愛国心に訴えた作品が人気を呼び、復調した。調査会社の芸恩諮詢(エントグループ)によると、期間中の興行収入は40億元(約600億円)を超え、前年同期の19億元から大幅に増えた。中国建国70年の歩みを題材とした「我和我的祖国(私と私の祖国)」が大ヒットしたことが要因だ。

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