「ふるさと相続」奈良・生駒市が寄付受け入れ
全国初、負担・費用軽く

2019/10/7 19:10
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遺産などを相続人以外に寄付する遺贈寄付について、奈良県生駒市は遺言代用信託を使ったオリックス銀行などの仕組みを利用し、全国初となる寄付を受け入れた。手続きの負担やコストを減らし、寄付者の思いを生前に確かめて市の施策に反映させる。「ふるさと相続」として、受け皿を拡充したい考えだ。

寄付者の思いや希望する使い道を自ら聞き取った小紫雅史市長(右)が感謝状を手渡した(奈良県生駒市)

寄付者の思いや希望する使い道を自ら聞き取った小紫雅史市長(右)が感謝状を手渡した(奈良県生駒市)

第1号として、抹茶をたてる茶せん製造の竹茗堂(ちくめいどう、同市)の代表で生駒商工会議所会頭を務めた久保昌城氏が100万円の寄付を申し出た。

小紫雅史市長自ら寄付に対する「思い」や使い道を聞き取る。感謝状の贈呈式で久保氏は「人口減少に危機感を抱いている。(寄付金は)企業立地が予想される学研高山地区第2工区のまちづくりに生かしてほしい」と求めた。

「ふるさとレガシーギフト」として、オリックス銀行や遺贈寄附推進機構(東京・港)などが今年4月から全国で初めて手掛けた仕組みで、自治体が対象。寄付者は100万円以上2000万円を上限に信託銀行に入金し、実際の寄付は亡くなった後に実行される。

生前には年1回運用益を受け取れる。元本保証で中途解約も無料でできる。ふるさと納税制度のように返礼品はないが、相続税の対象外となるほか、遺言書作成などに関わる煩雑な手続きや費用は不要だ。

生駒市のほか北海道上士幌町が導入しており、オリックス銀行などによると、現在40程度の自治体と交渉しているという。少子高齢化や単身者の増加を背景に、社会貢献としての遺贈寄付は注目を集めている。ただ手続きや費用がネックとなって進んでいない。寄付者の負担の少なさが認識され、自治体の使い道の透明性などが確保されれば導入が広がる可能性もある。

(岡田直子)

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