香港デモ、地下鉄など損傷 企業活動に支障も

2019/10/7 18:41
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【広州=川上尚志】デモ参加者のマスク着用を禁じる「覆面禁止規則」が適用された香港で、同規則に反対する一部の若者らに交通などのインフラが破壊され生活に混乱を招いている。5~7日の3連休に実施されたデモでは、地下鉄の駅や銀行のATMが損傷した。地下鉄駅などは復旧工事が進められているが、連休明けの8日以降も運行に支障が残れば企業活動にも影響が及びそうだ。

香港の地下鉄の駅の多くがデモ隊に破壊され一時閉鎖した(6日)=ロイター

香港の銀行のATMの約1割は破壊され利用できなくなった(6日)=ロイター

「深刻な破壊行為のため、多数の駅を一時閉鎖する」。7日、香港鉄路(MTR)はウェブサイト上に声明を出した。同日朝時点で3路線の運行停止を決め、その他の路線も多くの駅を一時閉鎖した。MTRは4日夜に全線の運行を止めたあと6日に再開したが、デモ隊に壊された設備が多く通常通りに営業できない状況が続く。平常時なら午前1時ごろまで運行するが、7日は午後6時ですべて運行を止め、復旧作業を進めるという。

銀行のATMにも被害が出ている。香港銀行協会は6日の声明で、ATMの約1割が破壊されたと明らかにした。同協会は「顧客の現金引き出しには十分に対応できる」とするが、すべてのATMを復旧するには時間がかかる可能性があり、利便性は下がりそうだ。

5~6日には主要な商業施設が臨時休業し、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが閉店時間を繰り上げる動きも相次いだ。7日は百貨店の「そごう」などが営業を再開したものの、3連休のかき入れ時に営業が制限されたことで売り上げに響きそうだ。

香港では5日から覆面禁止規則が適用された。香港政府は覆面の安心感がデモの過激化につながっていると判断し、行政長官の権限であらゆる規則を適用できる「緊急状況規則条例」を使う異例の手法で覆面禁止を決めた。ただ、かえって市民の反発を招き、覆面禁止規則に抗議するデモが4日から連日実施され、6日は数万人の市民がマスク姿で参加した。

政府は取り締まりを強めている。香港メディアによると少なくとも5日に13人、6日に5人が覆面禁止規則への違反で逮捕された。7日にはこのうち2人が起訴された。

香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは7日、香港政府が各中学校に対し、連休明けの8日にマスクを着用し登校する生徒の数を報告するように指示したと報じた。

香港では中国本土への身柄引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をきっかけとした抗議活動が4カ月近く続く。9月には香港政府が改正案を正式に撤回したが、遅すぎるとの批判を招き、抗議活動が過激化して覆面禁止の措置につながった。ここにきて覆面禁止に対しても反発が強まっており、収束を見通せない状況が続いている。

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