せかい旬景 南のリゾートではたらく日本の車(フィジー)

コラム(国際)
2019/10/11 22:00
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フィジー・ナンディでタクシーを利用する地元住民。気軽に使える交通手段として重宝されている=中尾悠希撮影

フィジー・ナンディでタクシーを利用する地元住民。気軽に使える交通手段として重宝されている=中尾悠希撮影

ラグビー日本代表の取材で訪れた南太平洋のフィジー共和国。ナンディ国際空港のタクシー乗り場で運転手が「タクシー?」と白い歯を見せて声をかけてきた。うなずいて後部座席の窓を見ると「初乗り410円」の文字がある。ぼさっと自動でドアが開くのを待っていると「早く乗れ」と声をかけられ、慌てて後部座席のドアノブに手をかけて乗り込んだ。日本を離れ、南国リゾートで新たな「人生」を送っているのだ。

都内でよく見かける黄色のボディーに赤いラインの入ったタクシー(スバ)

都内でよく見かける黄色のボディーに赤いラインの入ったタクシー(スバ)

同国は約330の島などからなり、首都のスバがある最も大きいビチレブ島は自動車が住民の足になっている。初乗りは1.5フィジードルと日本円で70円ほどだ。右手を下げるのがフィジー流の合図だが、ドライバーたちは運転中にもかかわらず「タクシー?」と積極的に観光客に声をかける。今回訪れた国際空港もある観光都市のナンディとスバでは走っているタクシーのほぼすべてが日本車だった。

日本の配車アプリの広告の上にそのまま自社の広告を張り付けている(スバ)

日本の配車アプリの広告の上にそのまま自社の広告を張り付けている(スバ)

全国ハイヤー・タクシー連合会(東京・千代田)によると、東京都内を走るタクシーは年間で約10万キロ走り、5~6年で車を交換するという。中古車として地方でさらに5年ほど走ったあと、海外に輸出されたのではないかという。

トヨタ製の商用車をタクシーとして利用している運転手。走行距離は130万キロを超えているが「故障はほとんどないよ」と話す

トヨタ製の商用車をタクシーとして利用している運転手。走行距離は130万キロを超えているが「故障はほとんどないよ」と話す

車内のモニターも日本語のまま表示されている

車内のモニターも日本語のまま表示されている

現地の道路は左側通行で日本車がそのまま使用できる。韓国車も見かけたが、地元の運転手たちは「日本車が一番だ」と口々に話す。理由は丈夫さという。リゾート地として開発され、道路は舗装されているがところどころに凹凸があり、土ぼこりも多い。「3年間乗っているけど壊れたことはないさ」と運転手のビシュア・ナダンさん(50)は話す。走行距離は130万キロを超えていた。「まだまだ行けるよ。問題なんてないよ」と笑う。

夕暮れの道路を日本でおなじみの直線的なフォルムのタクシーが走る(スバ)

夕暮れの道路を日本でおなじみの直線的なフォルムのタクシーが走る(スバ)

トヨタ自動車の「プリウス」のタクシーも見られ、こちらは「燃費がいい」と評判のようだ。都内でよく見る黄色に赤いラインの入った車体のタクシーには「杉並」の文字が残り広告のラッピングもそのままだった。おおらかなフィジアンの運転手は、何も気にしていないようだった。車内にあるカーナビも日本語のまま使われていて地図表示には対応していなかった。不便はないか尋ねると「気温だけはわかるね」と50代の運転手は陽気だった。

(写真映像部 中尾悠希)

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