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あいちトリエンナーレ 作家らがコールセンター設立

作品への抗議に美術家は何ができるのか? 模索する動きの一つとして、作家自身が電話で直接、市民の意見を聞く試みが始まる。演出家の高山明は国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」のコールセンター「Jアートコールセンター」を8日に立ち上げると明らかにした。作家やキュレーターなど約30人が正午から午後8時まで交代で電話に応じる。

同芸術祭では企画展「表現の不自由展・その後」が展示を中止している。殺到した抗議電話の対応に職員が追われたことも一因だった。5、6日に名古屋市で開かれた公開討論会では対話を重ねる重要性が繰り返し指摘された。登壇した高山は「怒っている人にアーティストみずからが対応する。そこに対話の可能性が開く」とコールセンター設立の狙いを話した。

公開討論会は表現の自由をテーマに、国内外の出展作家やキュレーター、法学者らが参加した。同芸術祭のキュレーターを務めたペドロ・レイエスは「検閲は見えないもの。これが検閲だという普遍的な定義は難しい」と述べ、世界中で様々な形での表現への抑圧が起きていると紹介した。

「不自由展」の中止を受けて、展示内容を変更したメキシコ出身の作家モニカ・メイヤーは「検閲は政治家が民衆の不満をあおるときに現れる。異なる考えへの恐怖と、批評によって対話できない未熟さが、検閲に勢いを付ける」と述べた。一方で「沈黙は検閲の共犯者」と指摘し、あいちトリエンナーレで多くの作家が展示を中止し、連帯して展示再開を求めるプロジェクトを立ち上げたことを称賛した。美術史家の林道郎は「表現の自由は多様性を確保する概念だ。一部の人が不快だと思う表現でも、公の機関こそ守らなければならない」と述べた。

(岩本文枝)

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