保護司不足、公務員に期待 法務省が協力呼び掛け

2019/10/7 10:26
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法務省が、罪を犯した人の社会復帰を支える保護司のなり手として自治体職員などの地方公務員に協力を呼び掛けている。保護司は高齢化や希望者の減少が深刻。同省は地域の再犯防止体制の充実にもつながると期待する。ただ活動時間の確保など課題もあり、どこまで解決につながるかは未知数だ。

保護司仲間(左)と談笑する東京都荒川区職員の小原実さん(8月、荒川区)=共同

「最近どう」「悩んでいることはない?」。刑務所を出所した男性に、東京都の荒川区職員、小原実さん(58)は月2回ほど面接している。2012年12月、荒川区長に依頼されたのをきっかけに保護司になった。

別の4人も同時期に委嘱を受けたこともあり、他の人がやるならと気軽な気持ちだったが、更生支援という普段できない経験や、他業種の仕事を掛け持つ保護司との交流が「人生の財産になっている」と感じるようになったという。

法務省によると保護司は10年間で約1600人減り、今年1月時点で4万7245人。平均年齢も65.1歳と年々上昇し、なり手不足が深刻だ。

保護司を兼務する地方公務員は今年4月時点で約2400人。会社員から自営業まで、さまざまな職や経験を持つ人が集まる保護司の中で占める割合はまだ小さく、広がる余地があると考えた法務省は、総務省との連名で今年5月、全国の自治体に保護司就任への協力依頼の通知を出した。

法務省の担当者は「再犯防止推進には、地域と行政が連携し、福祉などにつなげることが不可欠」と指摘。「自治体職員が就任して、活動がやりやすくなったという保護司会もある」と話す。

課題は時間の確保だ。小原さんと同じ荒川区の保護司、富永幸子さん(71)は「公務員をやりながら続けるのは大変だと思う」と心配する。

公務員は職務専念義務があるため、小原さんは荒川区から兼職許可を受け、業務に支障のない時間帯や休日に保護司としての活動をしている。職場の理解もあり、小原さんは「(保護司との両立が)負担と感じることは少ない」と感謝する。

しかし、人手不足は自治体も同じだ。保護司への意欲はあっても、職場に迷惑を掛けられないと、希望を口に出せない人も多い。法務省の担当者は「保護司の確保が年々困難になっている。自治体に理解が広がり、少しでも多くの職員に助けてもらえれば」と話した。〔共同〕

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