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ゴロフキン、王座奪還 村田諒太との対戦に興味
スポーツライター 杉浦大介

2019/10/7 3:00
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ボクシングのミドル級のスーパースター、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)が敗北寸前の大苦戦――。5日、米ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンで行われた国際ボクシング連盟(IBF)世界ミドル級王者決定戦で、ゴロフキンはセルゲイ・デレビャンチェンコ(ウクライナ)に3-0(115-112が2人、114-113が1人)の判定勝ちを飾った。

昨年9月に宿敵サウル・"カネロ"・アルバレス(メキシコ)に初黒星を喫して世界王座から滑り落ちたが、ここで世界王者に返り咲いた形。しかし、内容的には大苦戦で、かつて全階級を通して最高レベルのファイターと恐れられた頃の強さはなかった。

IBF世界ミドル級王者決定戦でセルゲイ・デレビャンチェンコに判定勝ちし、世界王者に返り咲いたゲンナジー・ゴロフキン=AP

IBF世界ミドル級王者決定戦でセルゲイ・デレビャンチェンコに判定勝ちし、世界王者に返り咲いたゲンナジー・ゴロフキン=AP

「厳しい試合だった。私ももっとハードに練習しなければいけない」

リング上で試合を振り返ったゴロフキンに、会心の笑顔はなかった。初回に右フックでダウンを奪ったものの、5回にはボディーにダメージを受けるピンチ。その後も4歳若いデレビャンチェンコの手数に苦しめられ、リングサイドではゴロフキンが負けていたとみる関係者も少なくなかった。試合後、判定が告げられた際にアリーナに響き渡ったブーイングが、きわどい勝負だったことを象徴している。

「まだカネロと戦いたいし、誰とでも戦う。すごい王者はたくさんいるからね」

最後にそう語ったゴロフキンだが、今回のタイトル戦を見て、挑戦したいと思ったライバルは少なくないだろう。2016年夏まで17連続KO防衛を飾り、40勝(35KO)1敗1分けという戦績を積み上げてきた怪物も、今年の4月で37歳。体力的に下り坂なのは間違いなく、加齢の影響はデレビャンチェンコ戦でも感じられた。そんな状況下で、次は誰を対戦相手に選ぶのか。

37歳のゴロフキン(左)は体力的に下り坂といえ、加齢の影響はデレビャンチェンコ戦でも感じられた=USA TODAY

37歳のゴロフキン(左)は体力的に下り坂といえ、加齢の影響はデレビャンチェンコ戦でも感じられた=USA TODAY

世界ボクシング機構(WBO)世界ミドル級王者デメトリアス・アンドレイド(米国)か、1階級上の世界ボクシング協会(WBA)世界スーパーミドル級王者カラム・スミス(英国)か。それともWBAスーパー、世界ボクシング評議会(WBC)世界ミドル級王座を保持し、昨年まで2年連続で拳を交えた宿敵アルバレスか。そうした候補の中には、日本が誇るWBA世界ミドル級正規王者、村田諒太(帝拳)も含まれる。

「(村田戦には)非常に興味がある。村田は五輪王者であり、プロの世界王者でもある。そして、私が契約する(スポーツ動画配信の)DAZN(ダゾーン)は日本でも急成長しているのだから。条件次第だが、日本に行っても構いません」

デレビャンチェンコ戦の前、記者会見の場でゴロフキンはそう述べていた。ゴロフキンと村田の対戦はしばらく前から話題に上っており、7月に村田がロブ・ブラント(米国)との再戦に勝って世界王者に返り咲いているのだから、もう夢物語ではない。最大のファイトであるアルバレスとゴロフキンの第3戦の交渉が不調に終わった場合、来春にも日本での超大型ファイトの話が浮上する可能性も十分ある。

すでに全盛期の力はなくとも、今春に米DAZNと3年1億ドル以上とされる巨額契約を結んだゴロフキンがいまだにボクシング界で最大級のビッグネームであることは間違いない。そして、衰えが見える今だからこそ、その争奪戦に拍車がかかりそうな気配。辛くも王座奪還を果たし、ゴロフキンはトップ戦線に生き残った。次に誰を"ダンスパートナー"に選ぶか、スーパースターの行方からまだしばらく目が離せそうにない。

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