築地再開発は五輪後に加速 閉場1年、交通整備も

2019/10/6 1:30
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築地市場が閉場し、6日で1年となる。東京ドーム5個分(約23ヘクタール)に相当する都心の広大な跡地を巡って、東京都は国際会議や展示会を誘致できる大規模施設など再開発の素案を描き、周辺の交通インフラの整備も計画する。2020年には一部で開発業者の募集が開始。巨大プロジェクトの完成は40年代を見込む。

築地市場跡地(東京都中央区)は、東京五輪・パラリンピック時に駐車場として使われる

更地になった築地市場の跡地は現在、20年東京五輪・パラリンピックで使う大型駐車場の整備が進められている。選手や大会関係者の移動に使うバスや乗用車2400台分のスペースが確保され、洗車場や給油施設も設けられる予定だ。

大会後の跡地について東京都は「築地まちづくり方針」を今年3月に最終決定した。方針では敷地を4つのブロックに分けた。西側の浜離宮恩賜庭園に近いエリアは国際会議場やホテルなどを置く「おもてなしゾーン」、中央部のエリアは集客施設などの「交流促進ゾーン」、東側エリアはバスなどの交通ターミナルとなる「ゲートゾーン」として、墨田川沿いは船着き場やレストランを整備した「水辺の顔づくりゾーン」になる。

本格的に動き出すのは五輪後だ。20年にはまず、船着き場周辺の開発事業者を募集する。22年には浜離宮恩賜庭園側のエリアで、20年代半ばには「交流ゾーン」などのある東側のエリアで、それぞれ事業者の募集を予定する。完成は40年代を目指している。

訪日外国人客が楽しめる統合型リゾート(IR)の誘致について、都議会には「築地市場の跡地は有力地」との声もあるが、現段階で都は「築地まちづくりにおいて、カジノは想定していない」と明らかにしている。

大手不動産の関係者は「まだ様子見の段階」と説明する。不動産各社は五輪後から調査を本格化させる構えだ。

跡地の再開発と並行して、周辺の交通インフラの整備にも期待がかかる。臨海部には高層マンションが林立し、電車などの通勤ラッシュが常態化しており、臨海部と都心を結ぶ交通網の増強が不可欠だ。

先行して京成バス(市川市)によるBRT(バス高速輸送システム)のプレ運行が五輪開催前にも始まる。跡地を通る環状2号(環2)の地上部道路を通り、虎ノ門と勝どき、晴海を結ぶ。BRTは環2の本線トンネルが開通する22年度には運行ルートが広がり、豊洲、有明、台場までカバーすることになる。

さらに、東京駅から築地跡地を経由して臨海部までをつなぐ地下鉄の計画もある。地元の中央区が熱望する事業だが、「重要性は認識しているが構想段階」(小池百合子知事)で、今後の具体的な見通しは立っていない。

大きく姿を変えることになる築地の街。跡地に隣接する「築地場外市場」で50年以上、店舗を経営してきた水産物業者の男性従業員(65)は「市場がなくなったのはさみしいが、新しい築地を一緒に盛り上げてつくっていきたい」と話した。

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