猛暑時の駅間停車、早めに乗客避難判断を 国交省指針
国土交通省は5日までに、猛暑の最中、電車が停電により駅間停車した際の対応指針を公表した。エアコンが止まり車内の温度が急上昇し熱中症など体調不良になるのを防ぐため、鉄道事業者が乗客を車外に避難させるかどうか迅速に判断することが最重要だと強調。避難に時間が割かれ、運転再開が遅れても「安全最優先の観点からやむを得ない」としている。
2020年東京五輪・パラリンピックは7~9月の暑い時期の開催。京成電鉄では今年8月、停電のため駅間停車した車両から体調不良の乗客が救急搬送されるケースがあり、同省は国としての指針を示すことで、今後のトラブルを防ぐ狙いだ。京成の場合、停電発生から避難決定まで約25分かかっていた。
指針は、乗客避難をスムーズにするため、車内や駅に降車用はしごを備え付けたり、駅員が素早く車両まで向かえるように駅に自転車を置いたりすることが必要だと指摘。警察、消防との連絡の仕組みを再度確認すべきだとしている。
温度抑制の具体策として、車両製造の際、窓を開くことを可能にすることや窓ガラスは赤外線を遮断できる材質とすることも挙げた。〔共同〕