インド5会合連続利下げ 年5.15%、景気テコ入れ

南西ア・オセアニア
2019/10/4 18:26
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【ニューデリー=早川麗】インド準備銀行(中央銀行)は4日の金融政策決定会合で0.25%の利下げを決め、政策金利を年5.15%とした。利下げは5会合連続。インドの経済成長は急減速しており、金融緩和を拡大して個人消費や企業の投資を促す。8月下旬から相次ぎ景気対策を打ち出している政府と歩調を合わせて一段の減速を防ぐ構えだ。

「緩和的政策を続ける」と述べたインド中銀のダス総裁(4日、ムンバイ)=AP

「経済減速が続き、高成長を取り戻すにはいっそうの努力が必要だ」。中銀のダス総裁は4日の記者会見でこう力を込めた。「成長の勢いが戻るまで政策姿勢は『緩和的』を続ける」と述べ、インフレ率の急上昇を注視しつつ今後も利下げする可能性を示唆した。

インドの経済成長率は5四半期連続で減速し、4~6月期は5.0%と約6年ぶりの低水準になった。主要産業の自動車は新車販売が8月まで前年同月比で10カ月続けて前年割れし、9月もマイナスが続いたもよう。18年まで毎月10%以上の増加が続いた国内航空旅客数も19年に入り1桁増にとどまる。経済減速は、10月から発表が本格化する19年7~9月期の企業決算にも表れそうだ。

中銀は4日、2019年度(19年4月~20年3月)の国内総生産(GDP)伸び率の見通しを6.1%と、8月時点の6.9%から下方修正した。

インド政府は8月下旬から景気のテコ入れに動き出した。車購入時の車両登録料の引き上げを20年6月に延期して顧客の負担を軽減する。住宅の建設を支援するための新たな基金を設立するほか、法人減税や高級ホテルの宿泊にかかる間接税の引き下げなどを打ち出した。中銀も利下げを続け、政府と二人三脚で景気テコ入れを狙う。

いまは中銀にとって利下げを続けやすい環境だ。物価上昇率は中期目標とする「4%前後」の範囲にとどまり、中銀が伝統的に警戒するインフレは落ち着いている。中銀は19年度後半も4%未満に収まると予測する。

米連邦準備理事会(FRB)が9月に追加利下げし、世界的に金融緩和が進むことも後押しした。通貨ルピーは足元で1ドル=71ルピー前後と安値圏で推移するものの、18年10月に付けた最安値(74ルピー)には余裕がある。

利下げが消費や投資の促進につながるかどうかは、実際の貸出金利に波及するかにかかっている。ダス総裁によると、8月会合までの政策金利引き下げは計1.10%なのに対し、商業銀行の新規の貸出金利は平均0.29%しか下がっていない。中銀も政府も貸出金利の引き下げを求めている。

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