「消費増税でも経済好循環」 改憲論議「国民への責任」 首相所信表明

2019/10/4 14:03 (2019/10/4 15:40更新)
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第200臨時国会が4日召集され、安倍晋三首相は衆参両院の本会議で所信表明演説に臨んだ。消費税率の10%への引き上げについて「影響には十分に目配りする。国内消費をしっかりと下支えすることで、経済の好循環を確保する」と述べた。憲法改正をめぐっては国会の憲法審査会での論議を呼びかけ「国民への責任を果たそうではないか」と語った。

所信表明演説の全文はこちら

首相は「これからも安倍内閣は経済最優先だ」と力説した。米中貿易摩擦や、英国の欧州連合(EU)離脱に触れ「不透明さを増す世界経済の先行きにも、しっかりと注視する」と指摘した。

経済の下振れリスクが現れた場合「ちゅうちょすることなく、機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものにする」と言明した。

社会保障では(1)70歳までの就業機会の確保(2)予防医療・介護の充実(3)厚生年金の適用範囲拡大――の3つの制度改革に取り組む考えを示した。「人生100年時代を見すえた改革を果断に進める。子どもからお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障制度を大胆に構想する」と話した。

雇用情勢の改善に触れ「バブル崩壊により就職難で苦労した方々への就労支援を拡大する」と言明した。大企業に社外取締役の選任を義務付ける会社法改正案をめぐり「経営の透明性を一層高め、海外から成長の活力を取り込んでいく」と述べた。

外交では「自由貿易の旗手として自由で公正なルールに基づく経済圏を世界へと広げていく」と強調した。6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)で国境を越えたデータ流通のルール整備の議論を主導したことに言及し「新しい時代の世界のルールづくりを日本が力強くリードしていく」と訴えた。

日米貿易協定に関し「ウィンウィンとなる結論」を主張した。協定による米国産農畜産品の関税の撤廃・削減については「なお残る農家の皆さんの不安にもしっかり向き合い、生産基盤の強化など十分な対策を講じる」と明言した。

北朝鮮情勢をめぐっては「米国と緊密に連携し、国際社会と協力しながら、国民の安全確保に万全を期す」と語った。「何よりも重要な拉致問題の解決に向け、私自身が条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合う決意だ」と日朝首脳会談への意欲を改めて表明した。

関係が悪化する韓国は「重要な隣国だ」と指摘した。一方で「国際法に基づき、国と国との約束を順守することを求めたい」と元徴用工訴訟問題などでの対応を促した。北方領土問題を含むロシアとの平和条約交渉には1956年の日ソ共同宣言をもとに協議する方針を示した。「交渉を次の次元へと進め、日ロ関係の大きな可能性を開花させていく」と話した。

台風15号による大規模停電には「今回の対応を徹底的に検証する」と説明した。災害時の復旧や電力インフラ維持の方策について「速やかに対策を講じる」と述べた。

首相は演説に先立って国会内で開いた自民党の両院議員総会で「令和の時代にふさわしい憲法のあり方について、議論をはじめよう」と呼びかけた。

臨時国会の会期は12月9日までの67日間。所信表明演説に対する与野党の衆参両院の代表質問は7~9日の日程で実施する。

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