サウジ石油生産が完全復旧 エネルギー相

2019/10/3 20:16
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【モスクワ=小川知世】ロシアを訪問中のサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は3日、攻撃で施設が損傷した国営石油会社サウジアラムコの生産量が攻撃前の水準に回復したと明らかにした。事前に発表していた計画通りの復旧で、同国の供給体制の盤石さを強調した。攻撃による延期が取り沙汰されたアラムコの新規株式公開(IPO)実現にも意欲を表明した。

記者団の質問に答えるサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相(2日、モスクワ)=ロイター

モスクワで同日開かれたエネルギーに関する国際会議で語った。アブドルアジズ氏は「サウジの石油生産は安定した」と強調。現時点で日量1130万バレルまで生産能力を拡大したと説明した。

アラムコの施設は9月14日に無人機による攻撃を受け、同国の生産量全体の半分超にあたる日量570万バレルの生産が停止した。復旧に数カ月かかるとの見方も出るなか、サウジ側は9月中に1100万バレルの生産能力を回復すると表明していた。3日の会議に同席したロシアのノワク・エネルギー相も「現時点で危機的な状況は見られない」と述べ、市場は安定しているとの認識を示した。

攻撃では世界最大級の石油輸出国のエネルギー中枢施設の脆弱さを露呈した。サウジは早期の復旧をアピールし、経済改革の目玉と位置づけるアラムコのIPOへの打撃を抑えたい考えだ。アブドルアジズ氏は「IPOのような新たな挑戦が控えている」と述べ、IPOに集中する考えを強調した。

一連の発言には、攻撃によるアラムコ施設の安全への懸念が尾を引くのを避けたい考えもにじむ。企業価値が低く評価されかねないため、IPOの時期を先送りにする可能性も攻撃後には取り沙汰されていた。

サウジの生産が回復しても、米国とイランの対立を軸とする中東情勢は緊迫したままで、原油供給を巡るリスクは残る。米国は攻撃にイランが関与したとの疑いを強めているが、ロシアのプーチン大統領は2日「証拠なしにイランを非難することには反対する」と述べ、米側をけん制した。

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