韓国、法相妻の非公開聴取に賛否

2019/10/3 18:58
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【ソウル=鈴木壮太郎】韓国検察は3日、曺国(チョ・グク)法相の妻を事情聴取した。韓国では検察に出頭した人が庁外に設けられた「フォトライン」に立ち、報道陣の取材を受けるのが慣例だが、検察は今回、非公開とした。刑が確定していない人をさらし者にするのは人権侵害だとの立場から評価する声がある一方、「検察が大統領府からの圧力に屈した」との批判も出ている。

保守派が3日、ソウルの光化門広場で開いた曺国法相の辞任を求める集会

韓国メディアによると、3日午前9時ごろソウル中央地検に出頭した曺氏の妻は庁舎1階の玄関からではなく、車で地下駐車場に入った。検察は当初、公開聴取を検討していたとされるが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が捜査慣行の見直しを迫り、非公開に切り替えたとの見方が強い。

フォトラインは検察庁舎の玄関前に黄色いテープで三角形に貼られる。出頭した人はそこに立ち、報道陣の代表からマイクを向けられる。大勢の記者にもみくちゃにされて事故が起きるのを防ぐため始まったとされる。

フォトラインに立たせての取材は国民の知る権利や取材活動の自由に応えるとの肯定論がある一方、罪が確定していない人に犯罪者の烙印(らくいん)を押し、人権と肖像権を侵害するとの声がメディアからも出ていた。韓国では聴取後、自殺するケースもあった。

ただ、長く続いた慣例を曺氏の妻の聴取から突然とりやめたことには賛否がある。与党「共に民主党」は「被疑者の人権を尊重する先進的な捜査に向かう契機になることを期待する」と評価した。一方、保守系野党の自由韓国党は「権力に屈服した『特恵聴取』だ」と検察批判した。

3日は曺氏の法相辞任を求める自由韓国党など保守派の大規模集会がソウルで開かれた。保守の地盤である慶尚道を中心に地方からも動員され、市中心部の光化門広場が埋め尽くされた。曺氏の支持派は9月28日に大規模集会を開いており、保革両陣営による「民心」争奪戦が激しさを増している。

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