中国、豚肉増産へ支援拡大 アフリカ豚コレラ拡大で

習政権
2019/10/3 16:54
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【大連=渡辺伸】中国政府は家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」で豚の飼育量が4割弱減ったことを受け、被害にあった生産者への支援を大幅に拡大する。9月には養豚場の新設助成を柱とする対策を打ち出しており、設備の近代化によるアフリカ豚コレラの封じ込めも目指す。ただ、すでに豚肉価格は2月に比べて倍になっており、市民生活への打撃は広がっている。

中国ではアフリカ豚コレラによる殺処分で豚がいなくなった豚舎も少なくない(遼寧省大連市)

中国政府が9月に打ち出した豚肉の生産回復のロードマップ(行程表)は6項目で構成。新設する養豚場の設備に対する最大500万元(約7500万円)の助成や、経営の大規模化の支援、豚を殺処分した養豚場への補助金の増額などを列挙した。

アフリカ豚コレラは強い感染力と致死性を持つウイルス性の伝染病。2018年8月に中国で初めて発生が確認され、19年春までに全土に広がった。農業農村省によると、中国全体で豚の飼育頭数は8月、前年同月に比べ38.7%も減った。需給の逼迫は今後さらに強まる恐れがある。

中国政府が対策をアピールする背景には、豚肉が中国の食卓に欠かせない食材で、対応が遅れれば当局への市民の不満が強まりかねないことがある。農業農村省の于康震副省長はロードマップを発表した際の記者会見で「豚肉は中国にとって最も重要な食品だ。政府の関係部署が連携し、対策を打っていく」と強調した。

しかし、政府が対策をいくら強化しても、市民生活への打撃は避けられそうにない。国家統計局によると、生きた豚1キログラムの価格は8月末で27元と、2月末の11.9元から倍以上に跳ね上がった。この影響から、中国の消費者物価指数(CPI)は8月、前年同月比で2.8%上昇した。

香港調査会社ギャブカル・ドラゴノミクスのアナリスト、アーナン・キュイ氏は「他の国々ではアフリカ豚コレラの根絶に最低5年はかかった。中国ではさらに長い時間がかかる」とみている。

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