ARで脚立営業、最適サイズが一目瞭然 長谷川工業
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2019/10/7 7:00
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脚立やはしごのメーカー、長谷川工業(大阪市)は5月から営業に拡張現実(AR)を活用している。客からお薦めの脚立を聞かれても、大小様々ある中から選び出すのは一苦労。実物の持ち運びや配送も大変だ。そんな悩みを解決するのが、タブレットで実寸大をその場に表示するAR。商談時間が短縮といった効果が出始めている。

ARで実寸大の脚立を表示する

ARで実寸大の脚立を表示する

「この高さなら天井に届きそうですね」「色合いもフロアとマッチしそうですね」。営業員がタブレットに画面を見せながら取引先に説明する。画面に映るのは天井まで伸びる脚立。その場に置いたらどうなるか一目瞭然だ。

きっかけは2018年9月、長谷川義高副社長がレストランで食事をしていた時のこと。顔なじみの店員から天井の電球を交換するための脚立が欲しいとの相談を受けた。だがその場では最適なサイズが分からなかった。「ぱっと見て分かるイメージが必要」とAR製作会社と共同でアプリを作成した。

脚立の納入先は建設工事の現場や工場、オフィスなど多岐にわたる。適したサイズや形は少しずつ異なるため、実物を置いてから購入を決める顧客が多い。ただ脚立は小さくても高さ60センチメートル、重さ2.7キログラム。従来は複数の実物を持ち込んだり、配送したりしていたが、時間もコストもかかる。現場で何度も試すのにも手間がかかる。結果としてふさわしい商品がなく、別のものを送り直すことも少なくなかった。

ARを使えば輸送コストを省けるし、現場で簡単にいくつもの脚立を試せる。同社の効果測定によれば、担当者1人の1日あたりの現場訪問や打ち合わせの時間はそれまでの3割に相当する平均2時間ほど短くなった。取引先からの電話やメールへの対応にかかる時間も24分短縮。配送費などのコストは約3千円減らせたという。

法人営業では上司の決裁も壁だった。担当者が納得しても実物を知らない上司が了承するとは限らないのだ。舌津良介セールスマネージャーは「ARの画像を社内で共有してもらい、決裁を得やすくなった」と手応えを感じている。

ARはこれまでゲームなど娯楽に使われることが多かったが応用範囲は広いはず。長谷川副社長は「営業の強い味方」と新たな活用方法を探る考えだ。

(企業報道部 川井洋平)

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