新潟と庄内結ぶ観光列車「海里」出発 景観と食堪能

2019/10/5 6:30
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JR東日本は5日から、新潟駅(新潟市)と酒田駅(山形県酒田市)を結ぶ新たな観光列車「海里」の運行を始める。新潟と山形県庄内地域の食を堪能しながら、車窓から美しい日本海と田園風景を望むことができる。10月から同地域で始まったJRグループの大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」の目玉の一つとして打ち出し、県内外からの利用を見込む。

海里のキャッチフレーズは「日本海美食旅(ガストロノミー)」。新潟と庄内地域の豊かな食を提供する。4両編成の車体は赤と白のグラデーションで、「夕日」と「新雪」をイメージした。ロゴマークは、水引をモチーフに雪の結晶を表現しているという。

運行は金土日・祝日を中心に1日1往復。下り列車は午前10時12分に新潟駅4番線から出発する。新発田、中条、坂町駅と順に停車し、村上駅を過ぎるといよいよ日本海だ。視界が開け、目の前に日本海が広がる瞬間は圧巻だ。天気が良ければ目の前に粟島、後方奥に佐渡島が見える。

4号車の二人掛けシートは海を眺めながら食事を楽しめる

4号車の二人掛けシートは海を眺めながら食事を楽しめる

この地域の沿岸は「笹川流れ」と呼ばれる海岸景勝地。日本屈指の透明度を誇る青い海と、日本海の荒波の浸食でできた奇岩や岩礁、洞窟は見応えがある。海里は笹川流れをじっくりと堪能できるよう、桑川―越後寒川駅間で速度を落として運行する。桑川駅では停車時間を設けており、車外に出て間近に日本海を眺めることもできる。

あつみ温泉駅を過ぎると、列車は日本海から内陸に入り庄内地域へ。両側に広がる田園風景の中を走り抜け、午後1時19分に終点の酒田駅に到着する。「海里」の名前の通り、海と里の両方を楽しめる片道3時間の旅だ。

上り列車は午後3時2分酒田駅発。コースや停車駅は同じだが、下り列車とは異なる表情を見ることができる。一番の見どころはなんと言っても、日本海に落ちる夕日だ。桑川駅の停車時間は、下りより10分長い30分間。10月下旬までなら、日の入りを車外で拝めるかもしれない。

旅行商品として発売される4号車の食事。10月の下り車内では老舗料亭「行形亭」の日本料理が提供される

旅行商品として発売される4号車の食事。10月の下り車内では老舗料亭「行形亭」の日本料理が提供される

海里のもう一つの特徴が、車内で提供する豪華な料理だ。ダイニング席仕様の4号車は、食事をセットにした旅行商品として販売する。下り列車では、新潟の3つの老舗料亭「行形亭(いきなりや)」「鍋茶屋」「一〆」による日本料理を、上り列車では庄内のイタリアン「アル・ケッチァーノ」によるイタリアンを堪能できる。

乗車券と指定席券で乗車できる1号車と2号車の利用者向けには、海里特製のお弁当を用意した。下りは「加島屋御膳」(1800円)、上りは「庄内弁」(2000円)で、共に新潟と庄内産の食材をふんだんに使用。3日前までの予約制で、3号車にある売店スペースで引換券と交換し受け取る。

価格は1、2号車が新潟―酒田間で片道3920円。4号車は片道1万3800円からの旅行商品として発売されている。新潟発の4号車の座席はすでに11月末まで予約で埋まっているという。

海里が走るコースは、6月に山形県沖で発生した地震で大きな揺れを観測した一帯だ。車窓からは屋根がブルーシートに覆われている民家も見えた。震度6強だった新潟県村上市では直後に宿泊客のキャンセルが相次ぎ、大きな打撃となった。DCや海里を通じ地域の魅力を発信することが、被災地域の活性化につながると期待する声もある。

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