新Apple Watch、常時画面オンで睡眠計測はできるのか

モバイル・5G
BP速報
2019/10/3 12:54
保存
共有
印刷
その他

常時画面オン可能になった新Apple Watchの待機時用画面。全体的に暗くなるイメージ。カラー表示は維持しているが、赤い秒針はなくなる(撮影:日経 xTECH)

常時画面オン可能になった新Apple Watchの待機時用画面。全体的に暗くなるイメージ。カラー表示は維持しているが、赤い秒針はなくなる(撮影:日経 xTECH)

日経クロステック

すっかり一般化してきたスマートウオッチ。もはや手首に向かってフリック操作していても、奇異の目で見られることはない。そんなスマートウオッチの中で一番売れている製品が米アップルの「Apple Watch(アップルウオッチ)」だ。香港の市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチによれば、2018年の世界のスマートウオッチ出荷台数シェアでアップルは37%というぶっちぎりの1位を獲得しており、2019年も引き続きトップの座を獲得するとみられている。

2019年版のiPhoneの発売と同時に、Apple Watchの新製品「Apple Watch Series 5」も発売になった。となれば、その新製品を分解せずにはいられない。日経 xTECH編集部では無事、発売日にApple Watch Series 5を入手することができた。

■睡眠計測機能はうたわず

今回のApple Watchで一番強くうたわれているのは常時オン可能なディスプレーを搭載し、それでも電池寿命は18時間で前機種(Apple Watch Series 4)と変わらないという点である。常時オンといっても表示がずっと同じなのではなく、待機時用のグラフィックを用意している。

消費電力低減を実現するため、低温ポリシリコン酸化物(LTPO)有機ELディスプレーの書き換え頻度を通常の60ヘルツから待機時には1ヘルツに落とした。書き換え速度を落としても画面のちらつきが目立たないように、有機EL駆動用TFT(薄膜トランジスタ)に酸化物半導体を用いたLTPOバックプレーンを採用している。さらに低消費電力のディスプレードライバーと電源管理IC、環境光センサーを連携させているとする。

この他にも、今回の製品には電子コンパス内蔵や国際緊急通報の搭載などの特徴がある。だが、編集部内で一番期待を集めていた機能は搭載されなかった。睡眠計測機能だ。

今回、発表前には睡眠計測機能が搭載されるとの噂があったものの、実際の発表では言及されなかった。18時間駆動を「All-day battery life」と呼んでおり、「睡眠時は充電タイム」というのがApple Watchの暗黙の了解のようだ。

通常の画面。すべての機能が使える「オン」状態での画面。標準設定になっていた「メリディアン」はアナログ時計を模した文字盤に、日付や気温、活動量など4つの情報を提示できる(撮影:日経 xTECH)

通常の画面。すべての機能が使える「オン」状態での画面。標準設定になっていた「メリディアン」はアナログ時計を模した文字盤に、日付や気温、活動量など4つの情報を提示できる(撮影:日経 xTECH)

とはいえ、常時画面点灯で18時間駆動可能と、電池寿命は伸びているようにも見える。睡眠計測にも利用できるのではないか――そう考え、睡眠計測を試してみることにした。今回、比較対象として日本では2019年9月24日に発売された米フィットビットの「Fitbit Versa(フィットビット・ヴァーサ)2」を利用した。Apple Watchがスマートデバイスから出発しヘルスケアに注力している端末とすれば、Fitbit Versaは活動量や睡眠の計測から始まってスマートデバイス的な機能を次々と内蔵しつつある端末だ。

Apple Watch Series 5とFitbit Versa 2で睡眠を計測
最近発売されたスマートウォッチ2機種で睡眠を計測してみる(撮影:日経 xTECH)

Apple Watch Series 5とFitbit Versa 2で睡眠を計測
最近発売されたスマートウォッチ2機種で睡眠を計測してみる(撮影:日経 xTECH)

Fitbit Versa 2はディスプレーを液晶から有機ELに変更して低消費電力化を図ったとして、今回の製品から常時オンが可能となった。前機種も電池寿命が長いことを売りにしており、通常使用であれば4~5日持つとしていた。今回は画面を常時オンにしても、同様に電池が持つとしている。ただし、常時オン画面で表示されるのは単純なデジタル表示の時計のみである。

この他、今回マイクを内蔵し米アマゾン・ドット・コムの音声アシスタント機能「Alexa(アレクサ)」に対応した。スマートフォンとの連携が必要だが、手元で食品のカロリーを確認したりニュースの確認を音声で頼むといった作業が可能になったとする。なお、スピーカーは搭載しておらず、結果は文字での表示となる。

■計測の結果、分かったことは

Apple Watchの操作はiPhoneの専用アプリから行う。だが、ここには睡眠の項目は見当たらない。ヘルスケアアプリを見ると睡眠の項目はあるが、当初Apple Watchを着用して寝てもデータが取得できなかった。そこでNeybox Digital(ネイボックス・デジアル)の睡眠分析アプリ「自動睡眠トラッカーPIllow」(無料版)を利用することにした。Fitbitは標準のFitbitアプリに睡眠計測・分析機能も搭載されているので、そのまま利用した。

Apple Watch Series 5を使い、睡眠計測アプリ「PIllow」で表示した結果(左)とFitbit Versa 2を使い、Fitbitアプリで表示した結果(右)(撮影:日経 xTECH)

Apple Watch Series 5を使い、睡眠計測アプリ「PIllow」で表示した結果(左)とFitbit Versa 2を使い、Fitbitアプリで表示した結果(右)(撮影:日経 xTECH)

2機種とも100%に充電した状態で21時ころに着用してから就寝し、翌日、睡眠状態を確認したところ、次のような結果が得られた。結論として、睡眠計測機能にはそれほど大きな差はないと感じた。

今回、明確に精度が高いといえる機器は利用しておらず、どちらの計測・分析結果が正しいのかは分からない。その上で結果を比較してみる。いずれも就寝・起床の自動検出機能を使ったところ、時刻に4~5分のズレがあった。筆者はあまり気にならない程度の誤差と感じる。

睡眠時間はApple Watch Series 5が7時間49分、Fitbit Versa 2が7時間29分となっていた。Fitbitは就寝中の中途覚醒状態を細かくカウントする傾向があり、そのためではないかと推測される。これを精度の差とみるか、記憶に残らないような短時間の覚醒を無視するか否かの考え方の差とみるかは判断し難い。

睡眠の深さにも違いが見られるが、大幅に差があるとはいえない。そもそもノンレム睡眠は4段階に分類されており、今回の2機種ではどちらも「浅い睡眠」と「深い睡眠」の2段階で大まかに評価している製品である。高い精度を求めるものではないのだろう。

ちなみに、起床時(6時過ぎ)のApple Watch Series 5の電池残量は79%だった。その後も着用を続けたところ、同日の21時46分の時点で電池残量は2%だった。休日でメール等の通知は少なかったと思うが終日出歩いており、心拍数や活動量などはずっと計測していた。実は、白っぽい通常画面と黒っぽい待機画面が反転するのが目立ってわずらわしく、途中で通常画面の文字盤を黒に変えてしまった。これが奏功したのかもしれない。

(日経 xTECH 宇野麻由子)

[日経 xTECH 2019年10月2日掲載]

保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

電子版トップ



[PR]