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豊島逸夫の金のつぶやき

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米欧関税応酬、日本の自動車分野に飛び火も

2019/10/3 11:13
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1930年代の関税応酬、世界経済ブロック化、経済縮小均衡を連想させる展開となってきた。

米国は世界貿易機関(WTO)承認のお墨付きを得て18日にも対欧州連合(EU)報復関税を発動する。航空機に10%、農産品などに25%の追加関税だ。米国内法に基づく対中関税発動とは異なる、WTOのルールに基づく決定である。EUも報復関税に動くのは必至の情勢だ。

この世界的にエスカレートする関税合戦の流れが、対日自動車関税に飛び火する可能性も無視できない。

日米貿易協議は包括的ではなく限定的な「ミニ・ディール」で暫時決着を見たが、自動車への関税は実質先送りされている。米国側は「当面」事は荒立てないとの姿勢だ。

しかし、トランプ米大統領は、全く想定していなかった、「ウクライナ・ゲート」勃発で動揺している。「シンゾーとの個人的友情と、関税問題は別」と言いかねない。

特に、市場が注目することは、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した9月の米製造業景況感指数が47.8と約10年ぶりの水準に落ち込んだこと。その主因はトランプ氏が引き起こした保護主義である。懸念していた事態を重要な経済指標で見せつけられ、マーケットもトランプ氏も動揺した。

その影響は2日も及び、ダウ工業株30種平均は494ドルもの急落を演じた。9月ADP民間雇用リポートが雇用伸び悩みを示したからだ。雇用増は13万5千人で、事前予測をやや下回る程度であったが、8月分が19万5千人から15万7千人に大幅下方修正された。

この程度でダウ平均が494ドルも下落するのは過剰反応の印象も強い。やはり、製造業の落ち込みが賃金増の鈍化を通じて個人消費を萎縮させるシナリオが懸念されているのだ。利下げしても、通商摩擦懸念が払しょくされなければ経営者も設備投資をためらうので、金融政策だけでは限界がある。

そこで、接戦が予想される来年の大統領選挙戦を視野に、苦し紛れに、日本の自動車に対しても再検討の姿勢に転じるかもしれない。トランプ氏の票田には「日本も例外扱いせず」との言動は効く。

ときあたかも、外為市場では、トランプ氏が期待するであろうほどの円高・ドル安は進行していない。公的年金による外債投資急増が円安圧力との報道に接すれば、「円安誘導」と解釈するかもしれない。

トランプ氏の通商政策は、全て、大統領選挙への寄与度で優先順位が決まる。油断は禁物だ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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