ギリシャ東部で難民急増、収容施設の定員超過

2019/10/2 17:48
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【ジュネーブ=細川倫太郎】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1日、ギリシャ東部の島に渡る難民や移民が急増していると発表した。9月の到着数は1万人超と、難民危機だった2016年以来の高水準となった。現地の収容施設は定員を大幅に超え、UNHCRはギリシャ政府に対して早急に対策を講じるよう求めている。

レスボス島で劣悪な生活環境に抗議する難民や移民=ロイター

7月以降、トルコからエーゲ海を渡りギリシャ東部のレスボス島やサモス島に着く難民らが増えている。大半がアフガニスタン人かシリア人で、週平均で2000人程度が到着しているという。

レスボス島の施設は定員の5倍以上の約1万2600人を収容する。数日前には火災事故で1人が死亡したほか、不満を募らせた難民らと警察との衝突も起きた。サモス島でも水やトイレや、医療施設が不足している。

UNHCRは「このまま難民らを島にとどめておくのは非人道的」として、ギリシャ政府に難民を早く本土に移送するよう求めた。だが本土側の受け入れの調整は難航しているとみられる。

ギリシャ政府は難民の無秩序な流入を抑えようとしている。1日には沿岸警備を強化すると発表し、難民認定の手続きを早めたうえで年末までに難民としての資格を満たさない1万人をトルコに送還するとした。ミツォタキス首相は9月下旬にトルコのエルドアン大統領と会談した翌日、「欧州連合(EU)はトルコに新たな経済支援を講じるべきだ」と話した。

トルコにはシリア難民を中心に400万人以上が滞在しているとされる。経済低迷で国民の間では低賃金で働く難民への不満がたまり、政府は今年夏ごろから都市部に不法に移動してきた難民を地方に送り返している。

エルドアン大統領は一部の難民の渡航も黙認している。トルコは難民らが同国経由で欧州に渡るのを抑える役割を果たしてきたが、EUが約束した60億ユーロ(約7000億円)の半分しかトルコに支払われていないことなどに反発を強めている。

欧州では地中海やエーゲ海に面するイタリアやスペイン、ギリシャなどに難民の受け入れ負担が集中している。EUは難民受け入れで新たな制度をつくる検討に入っており、EU全体で公平に分担する方法を模索している。アブラモプロス欧州委員(難民・内務担当)は3~4日、独仏の内相とともにトルコとギリシャを訪問し、協議する。

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