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銀行、クラウド化の波 ふくおかFGのネット銀が採用
相乗り容易、地銀再編を後押し システムの安定性課題

金融最前線
2019/10/2 16:55
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新たに作るインターネット銀行の基幹システムをクラウド化する(2日、東京都内で記者会見するふくおかフィナンシャルグループの横田浩二取締役)

新たに作るインターネット銀行の基幹システムをクラウド化する(2日、東京都内で記者会見するふくおかフィナンシャルグループの横田浩二取締役)

銀行の基幹システムをクラウド化する動きが広がる。ふくおかフィナンシャルグループは2日、新しくつくるインターネット銀行にグーグル製のクラウドを採用すると発表した。コストの削減に加え、新たな商品・サービスへの対応も容易になる。基幹システムの統合は銀行合併の最大の障壁なだけに、クラウド化が進めば、地方銀行の再編を後押ししそうだ。

「顧客の声に対してすばやく商品を提供でき、データ分析の使い勝手も良くなる」。2日記者会見したふくおかFGの横田浩二取締役はこう意義を強調した。

ふくおかFGはグーグルのクラウド上で使える銀行システムを開発中で、2020年度の設立を目指す地銀初のネット銀行「みんなの銀行」に導入する計画だ。将来的には、ほかの地銀に外販することも検討する。

クラウドはサーバーやデータベースなどのIT(情報技術)システムを、通信回線を通じて貸し出すサービス。利用企業は自社でシステムを構築するのに比べて初期費用が大幅に軽くなる。

データの処理量に応じて柔軟にシステムを拡張でき、新たな機能も追加しやすい。システムの運用や保守はクラウド事業者が担い、利用企業は本業に集中できる。横田氏は「既存のシステムよりセキュリティーのレベルが落ちることはない」と安全性を強調した。

勘定系と呼ばれる銀行の基幹部分にクラウドを採用する動きは、北国銀行やソニー銀行で始まっており、マネックス証券の大槻奈那氏は「クラウド化の動きは今後も広がる可能性が高い」と分析する。人員削減が難しい地銀にとって、勘定系のシステム負担の軽減は利益確保策として魅力的だからだ。

クラウドの普及は、銀行再編にも影響しそうだ。20年1月に合併するトモニホールディングス傘下の徳島銀行と大正銀行の再編劇は、もともと同じ日立製作所製の基幹システムを使っていることが決め手だった。システムが違うと合併の際に、どちらに寄せるかが最大の課題となるためだ。

千葉銀行など9地銀は「TSUBASAアライアンス」を組み、一部でシステムの共同化を進めている。相乗りしやすいクラウド化が進めば、地銀にとって再編の選択肢が広がることになる。

課題はシステムの安定性だ。8月には米アマゾン・ドット・コムのクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の国内データセンターで大規模障害が発生し、影響が広範囲に及んだ。利用者の利便性を損なわずに運用できるかも問われることになりそうだ。

勘定系にも導入の動き

IT(情報技術)大手はクラウドサービスの導入が遅れている金融分野の取り込みに力を入れている。

NTTデータは2018年12月、銀行システムのクラウドサービスを手掛ける独マンブーと提携した。マンブーは約60カ国でサービスを展開し、すでにオランダのABNアムロ銀行に勘定系のシステムを提供している。

提携後、NTTデータは日本での実証実験を終え、4月から国内で勘定系システムを含めたクラウドサービスの提案を始めた。複数の金融機関や金融業への参入を検討する企業と交渉している。

グーグル・クラウド・ジャパンの阿部伸一代表はクラウドサービスについて「海外では(勘定系システムにあたる)コアバンキングでも採用されている」という。日本でも「金融機関はまだ自社のデータセンターなどの既存資産があり、そのレガシーとの連携やクラウドへのシフトなどニーズに応えていく」と積極的に取り組む考えだ。

クラウドを提供するIT企業にとっても安定した運用を維持することは欠かせない。8月の米アマゾンの日本での障害の印象も強く、高度な安全性と、安定した運用を兼ね備えないと採用に二の足を踏む企業も出てくる。

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