「15歳未満人口6位」の活力 雇用・税収、若者に好循環
(データで読む愛知)

2019/10/4 6:30
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愛知県は若い世代の多さが地域の活力につながっている。人口(約750万人)のうち15歳未満は13.3%と全国で6番目に高く、65歳以上は3番目に低い24.9%だ。ただ、近年は首都圏への若い女性の流出が目立ち、少子高齢化への対策も待ったなしだ。

家族連れでにぎわう「愛・地球博記念公園」(愛知県長久手市)

家族連れでにぎわう「愛・地球博記念公園」(愛知県長久手市)

幅広い企業の集積と、自治体の堅調な税収が若い家族らの住みやすさにつながり、さらに雇用や消費、インフラ整備を促す好循環を生んでいる。総務省統計局の人口推計(2018年)によると、15歳未満の人口割合は全国平均で12.2%だった。17%の沖縄が群を抜いて高く、愛知は滋賀、佐賀、熊本、宮崎などとともに13%強~14%の第2集団を形成する。

一方、65歳以上の老年人口は全国平均で28.1%。愛知は沖縄、東京に次ぐ低さだ。死亡数が出生数を上回る「自然減」の状態だが、県外から愛知に転入する人が転出者を上回る「社会増」が続いている。厚生労働省の人口動態統計(18年)では、愛知の合計特殊出生率は1.54と全国平均(1.42)より高い。

愛知ならではの職住近接も特徴だ。トヨタ自動車が本社や主力工場を構える豊田市に隣接する長久手、刈谷、知立の各市では若い子育て世代の移住が進む。中でも長久手市は10年から15年までの人口伸び率が全国の市で最も高い10.7%を記録した。

愛知は東京圏に比べると生活コストが総じて低く、中高年齢層に比べて収入が低くなりがちな若い世代でも生活がしやすい。県によると、民間賃貸住宅の家賃水準は東京の6割以下。駐車場料金も東京の4分の1程度で済むという。

懸念は県外に流出する若い女性が増えていることだ。県人口動向調査によると、18年9月30日までの1年間に愛知と首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)の間で、20~24歳の女性が差し引き1686人の転出超過だった。超過者全体の2割近くを占める。若い女性の超過幅はここ数年、拡大傾向にある。

製造業の多い愛知の特徴が裏目に出て、若い女性の中には工場などを敬遠して首都圏の事務職などを選ぶ人も目立つ。

若い世代を増やそうと、自治体は移住促進を進めている。県は今年、東京圏から移住する世帯に最大100万円を支給する制度を創設した。移住者と県内企業を引き合わせるマッチングサイトを立ち上げ、雇用の受け皿となる約110社を掲載。最初の1年間は約40人を受け入れるとしている。

若い女性向けには、産業界とも連携して企業と大学を回るバスツアーを開くなど、ものづくりの魅力をアピールしている。少子高齢化の荒波を乗り越え都市間競争に勝ち抜くために、若者の心をつかむ政策立案が今まで以上に問われている。(小野沢健一)

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