北朝鮮が弾道ミサイル発射 「SLBM」と韓国軍

北朝鮮
2019/10/2 7:59 (2019/10/2 9:26更新)
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2016年8月、北朝鮮の労働新聞が掲載した、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験の写真=共同

2016年8月、北朝鮮の労働新聞が掲載した、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の水中発射実験の写真=共同

【ソウル=恩地洋介、ワシントン=永沢毅】韓国軍合同参謀本部は2日、北朝鮮が午前7時11分ごろ、江原道の元山(ウォンサン)北東部の海上から日本海に向けて弾道ミサイルを発射したと明かした。飛行距離は約450キロメートル、最大高度は910キロメートルで、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられている。北朝鮮がSLBMを発射したのならば2016年8月以来。

韓国大統領府は2日午前の国家安全保障会議(NSC)で「北朝鮮がSLBMを試験発射した可能性に重きを置く」と判断した。北朝鮮が16年8月に発射したSLBM「北極星」は距離、高度ともに約500キロメートルだった。今回は高度が900キロメートルを超えた。意図的に高角度で打ち上げた可能性もある。

専門家は通常の角度で発射すれば射程は数千キロで日本をはじめ米国の一部が射程に入る可能性があると指摘する。潜水艦から発射すれば攻撃を把握されにくく、奇襲もしやすくなる。このため脅威が高まるのは必至だ。

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米政府高官は「北朝鮮がミサイルを発射したとの報道を把握している。状況を注視し、地域の同盟国と緊密な連携を続けている」と語った。米CNNテレビの記者は米政府当局者の話として、実験用発射台から打ち上げられたとツイッターで伝えた。発射台は沖合に設けられたとみられる。

菅義偉官房長官は2日朝の記者会見で、飛翔体を「2発の弾道ミサイル」と指摘した。この後、1発が発射されて2つに分離して落下した可能性があると修正した。

河野太郎防衛相は2日午前、1発が島根県隠岐諸島の島後沖約350キロメートル付近に落下したと発表した。日本の排他的経済水域(EEZ)内にあたる。ミサイルが日本のEEZ内に落ちたとすれば、17年11月以来となる。

菅氏は記者会見で、現時点で船舶や航空機への被害は確認されていないと説明した。海上保安庁は同日朝、船舶に航行警報を出し船舶に注意を呼びかけた。

安倍晋三首相は国連安全保障理事会の決議違反だと訴えたうえで「厳重に抗議し、強く非難する」と語った。米国など国際社会と連携しながら「国民の安全を守るために万全を期す」と強調した。首相官邸で記者団に答えた。政府は2日午前、首相官邸でNSCを開き、対応を協議した。

北朝鮮の飛翔体発射について記者の質問に答える安倍首相(2日午前)

北朝鮮の飛翔体発射について記者の質問に答える安倍首相(2日午前)

政府は北京の大使館ルートを通じ北朝鮮側に抗議した。外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長は米国のビーガン北朝鮮担当特別代表と電話で協議し、日米や日米韓で緊密に連携すると確認した。

一方、菅氏は記者会見で、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け、前提条件をつけず日朝首脳会談を目指す方針に変わりはないと説明した。

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