千葉県内の自治体、災害時の避難態勢構築

2019/10/1 19:52
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大規模災害を想定し、千葉県内の自治体が避難所の確保や環境改善を加速している。流山市は日本GLP(東京・港)が整備中の国内最大級の物流施設を避難所として活用。佐倉市は避難所となる小中学校の給食設備を使い、避難者に温かい食事を提供する。9月の台風15号でも最大1千人超の避難者が出ており、円滑な避難体制の構築は急務となっている。

大型物流施設は快適に過ごせる設備が充実している(「GLP流山1」のカフェテリア)

流山市と日本GLPは1日、大型物流施設「GLP流山1」の災害時の活用に関する協定を結んだ。建物は4階建てで延べ床面積は13万2800平方メートルと、東京ドーム3個分に匹敵するスペースが広がる。巨大台風などの影響で流山市と埼玉県の間を流れる江戸川が氾濫した場合、浸水想定地域に暮らす400世帯、880人の一時避難を受け入れる。

「流山1」はテナント企業のサプライチェーンを支えるため、免震構造や非常用電源、地下水供給設備が充実している。テナント企業の従業員向けにカフェテリアや洗面所も備えており、学校の体育館に比べると快適性が高い。井崎義治市長は「従来はすぐに避難できる施設が近隣にはなく、防災上の意義は大きい」と歓迎する。

GLPは流山1を含む合計8棟の大型物流施設を現地で建設しており、2023年の完成時は延べ床面積の合計が90万平方メートルという「国内最大規模」(同社)の物流基地が誕生する。流山1以外の施設の活用についても、帖佐義之社長は「流山市から要望があれば前向きに考えたい」と話している。

大規模災害時には避難所での生活が長引くケースも多く、プライバシーの確保が課題となる。八千代市は避難生活の快適性を高めるため、市内の自動車販売会社、カーライフオートと災害時に車中泊できるワゴン車20台を無償で借り受ける協定を1月に結んだ。車内には簡易ベッドを備えているほか、太陽光パネルを設置すれば自家発電に対応でき、停電にも耐えられるのが強みだ。

佐倉市は小中学校の給食業務を委託している5つの事業者と提携し、避難者に温かい食事を提供できる仕組みを2月に整えた。災害時には各事業者から調理員を派遣してもらい、市内34校の調理施設を使って被災者に食事を提供する。避難生活の初期はおにぎりやサンドイッチなど冷たい食事も多いが、「給食施設を使えば温かい味噌汁も提供できる」(危機管理室)という。

千葉県では首都直下地震への懸念に加えて、9月の台風15号をはじめ、ここ数年は大規模な風水害が相次いでいる。県内自治体は災害時に住民が円滑に避難生活に移行できる体制を整え、地域の安全・安心を確保したい考えだ。

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