森絵都の人気小説「カラフル」がタイで映画化

文化往来
2019/10/7 14:17
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森絵都のベストセラー小説「カラフル」をタイの映画界がバンコクを舞台に映画化した。「ホームステイ ボクと僕の100日間」の邦題で10月5日から日本公開される。2003年にタイ語に翻訳された原作は現地でも人気を集めており、主人公と相手役をタイの若手スターが演じて映画も大ヒットした。

タイ映画「ホームステイ ボクと僕の100日間」の場面(C)2018 GDH 559 CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED

タイ映画「ホームステイ ボクと僕の100日間」の場面(C)2018 GDH 559 CO.,LTD.ALL RIGHTS RESERVED

物語は死んだはずの「ボク」の魂が、自殺した高校生ミンの身体に乗り移り、新たな人生をスタートさせる。ただし、生き残る条件として「ミンの自殺の原因を100日間で見つけ出す」という使命を負うことになる。

パークプム・ウォンプム監督

パークプム・ウォンプム監督

「原作の核心は変えず、タイの文化にあわせて脚本を練り上げた」と脚本を兼務したパークプム・ウォンプム監督は語る。執筆には「私が経験した中で最も難しく、時間もかかった」という。ウォンプム監督は、日本でも公開された映画「心霊写真」(04年)で知られるホラーの名手だ。今回も原作に出てくる天使の代わりに不気味で恐ろしい「管理人」が次々に登場し、ミンの使命遂行を監視するホラー色の強い場面もある。「期限内に遂行できなければ魂は消える、という原作の重要なポイントを管理人のキャラクターではっきりさせたかった」と狙いを語る。

主人公が髪をシャンプーしながら走る、というユニークな場面も出てくるが、監督によればこれは願掛けの意味があるという。「神聖な場所で奇妙なことをすればするほど願いがかなうといわれ、一般的には食べ物をお供えして踊ったりする。シャンプーは私の友人が試験合格を祈願した時の逸話を取り入れた」

主人公ミンは世界的ヒットとなったタイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(17年)で注目されたティーラドン・スパパンピンヨーが演じた。ミンの初恋の相手には秋元康がプロデュースするアイドルグループ、BNK48のキャプテンのチャープラン・アーリークンを抜てきした。チャープランは演技未経験で、ワークショップで基礎から演技を学んで撮影に挑んだという。

今作は娯楽性だけでなく、家族や友人との関係を見つめ直す物語でもある。「タイ映画は今、製作費が減るなど衰退気味。だが内容が良ければ観客に理解され、ヒットすると改めて実感した」とウォンプム監督は話している。

(関原のり子)

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