中国建国70年、習主席「一国二制度堅持」 香港念頭に

習政権
2019/10/1 11:08 (2019/10/1 12:38更新)
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中国建国70年の軍事パレードに登場した多弾頭型大陸間弾道ミサイル「東風41」(1日、北京の天安門前)=共同

中国建国70年の軍事パレードに登場した多弾頭型大陸間弾道ミサイル「東風41」(1日、北京の天安門前)=共同

【北京=多部田俊輔】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は1日、建国70年の国慶節(建国記念日)を記念する式典を北京市中心部の天安門広場一帯で実施した。香港デモを抱える中、習国家主席は「(香港に高度の自治を認める)一国二制度を堅持する」と演説した。「いかなる勢力も偉大な祖国の地位を揺るがすことはできない」とも強調し、軍事パレードで最新鋭の兵器を公開し、中国共産党の統治力を国内外に誇示した。

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式典は午前10時(日本時間同11時)に始まった。習主席、李克強(リー・クォーチャン)首相ら最高指導部を構成する7人の政治局常務委員が天安門楼上のひな壇に並んだ。健康状態に注目が集まる江沢民(ジアン・ズォーミン)、胡錦濤(フー・ジンタオ)両元国家主席も出席した。

習主席は演説で香港について触れ、一国二制度の堅持とともに「香港の長期的な繁栄と安定を維持する」と話した。香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を招くことで支持していく考えも改めて示した。

香港デモと関連して中国への警戒感が強まる台湾に関しては「両岸(中台)関係の平和的な発展を推進する」と指摘。2020年1月の次期総統選もにらみ、「祖国の完全統一を実現するための奮闘を続ける」と、台湾独立派をけん制した。

記念式典に臨む(左から)胡錦濤前国家主席、習近平国家主席、江沢民元国家主席(1日、北京の天安門)=共同

記念式典に臨む(左から)胡錦濤前国家主席、習近平国家主席、江沢民元国家主席(1日、北京の天安門)=共同

貿易摩擦が長期化する米中関係を念頭に、習氏は「お互いに利益を得る開放戦略を行う」とも演説。米国とのハイテク分野の覇権争いが激しくなる中、「いかなる勢力も中国人民の前進の歩みを妨げることはできない」と自信を示した。

軍事パレードは約1万5千人の兵員が参加し、約160機の軍用機、約580台の戦車などが登場。当局は「近年で最大規模」としている。米本土を射程に入れる最新の多弾頭型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」も初めて公開し、米国を軍事力でもけん制した格好だ。

式典が開かれた天安門付近、パレードに使う長安街は大量の武装警察などが投入されて厳戒態勢が敷かれている。沿道のビルの立ち入りを厳しく制限し、多くの店舗は営業を中止し、一般市民は自由に通行することもできない。

市民が参加するパレードも実施されたが、参加者は当局が選ぶ仕組み。新疆ウイグル自治区で多くのウイグル族が身柄を拘束されているとの批判を受けているため、ウイグル族などをパレードに参加させることで団結をアピールする狙いがあるとみられる。

軍事パレードは2012年の習指導部の発足以来3回目となった。15年の「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70年」を記念するパレードは北京市、17年の軍創立90年のパレードは内モンゴル自治区でそれぞれ実施された。1949年の新中国の建国からは通算で17回目。

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