設備投資、下方修正もなお底堅さ 9月日銀短観

2019/10/1 11:22
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9月の短観は設備投資の底堅さを改めて示す内容となった

9月の短観は設備投資の底堅さを改めて示す内容となった

日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は設備投資の底堅さを改めて示す内容となった。前回6月調査時点から投資計画はやや下方修正されたが、なお過去の平均を上回る水準を維持している。ただ今後、海外経済の持ち直しがずれ込めば、息切れするリスクも漂う。

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経済への波及効果が大きい大企業の2019年度の設備投資計画は18年度に比べて製造業が11.8%増、非製造業が3.6%増だった。6月の前回調査時点から製造業が1.0ポイント、非製造業も0.5ポイント下方修正されたが、いずれも2000~18年度の平均を上回っており、日銀も「引き続き高水準を維持している」(幹部)と判断している。

大企業の設備投資計画は前年度に先送りした案件が上乗せされる年度前半に高く、工事の遅れや案件の先送りを反映した年度後半にかけて下方修正する傾向が強い。今回の下方修正も「人手不足による遅延」などの声があったといい、米中貿易摩擦を背景に投資そのものを控える動きを反映したものではなさそうだ。

とくに業界を問わず人手不足に対応した設備の自動化に向けた投資意欲は強く、自動車業界でも自動運転や電動化などへの対応が急務となっている。このため景況感の悪化と設備投資計画が直結しにくい構造になってきている。

一方、企業が収益計画の前提とする想定為替レートも足元の円安基調を反映した設定になった。19年度下期の対ドルの想定レートは1ドル=108円50銭。前回6月調査時点(1ドル=109円34銭)よりもやや円高方向に修正されたものの、1ドル=108円台前半で推移している1日の東京外国為替市場での水準よりも円安方向を見込む。

日銀は当初、19年後半から20年にかけて世界経済が回復するシナリオを描いていた。それまで堅調な内需が国内経済を補う姿だ。ただ米中摩擦の長期化や混迷を深めている英国の欧州連合(EU)離脱問題などを背景に「海外経済の下振れリスクが高まりつつあり、持ち直しの時期が想定より遅れる可能性がある」(日銀の黒田東彦総裁)との懸念を強めている。

今回の短観は、景況感が事前の民間予測を上回り、焦点だった設備投資も底堅い内容となった。ただ世界経済の減速懸念は強まり、消費増税が個人消費に与える影響も読み切れない。頼みの綱の内需が息切れするリスクを見極めながら、日銀は今月末の金融政策決定会合で慎重に追加の金融緩和が必要か議論する。

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