剥奪されかけたW杯開催 裏方たちのスクラム
ラグビーW杯協奏曲(3)

ラグビーW杯
ラグビーW杯協奏曲
2019/9/30 2:02 (2019/10/3 2:00更新)
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日本経済新聞 電子版
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「日本で成功するわけがない」。今回のラグビーワールドカップ(W杯)は、そんな前評判を覆しつつある。チケット売上高は当初予想の1.5倍超の350億円に達し、総収入はラグビー発祥の地イングランドで開かれた前回大会を上回る見通しだ。だがここに至るまでには、様々な曲折と日本代表OBや関係する企業人ら裏方の奮闘があった。

【前回記事】 君が代も練習 多国籍代表の緻密なラグビー

■南ア戦勝利、もう一つの意味

前回のW杯で日本代表が歴史的な勝利を収めた南ア戦(英南部ブライトン)=共同

前回のW杯で日本代表が歴史的な勝利を収めた南ア戦(英南部ブライトン)=共同

2015年9月19日、英ブライトンで行われた前回W杯予選の南アフリカ戦。優勝2回を誇る強豪を日本代表が破った「ブライトンの奇跡」には今回のW杯を左右する大きな意味があった。

日本でのW杯開催は09年には内定していたが、実はこの時、その座が揺らいでいた。開幕戦と決勝戦を行う予定だった新国立競技場の建設費が3000億円を超えることが判明。世論の反発からデザイン公募がやり直され、W杯開催に間に合わないことが明らかになったからだ。

「新国立競技場を使えないなら客席やVIPスペースが減り、数十億円の減収になる」「減収分を補填するため日本政府に追加で1億ドル払ってほしい」「無理なら開催地の変更も辞さない」。ラグビーW杯を主催するワールドラグビー(WR)は日本のW杯組織委員会に対し、再三厳しい要求を突きつけてきた。

■勝利で鎮まった反対論

日本開催の反対派の急先鋒(せんぽう)が実は南アだった。新国立の問題による減収に加え、南半球の最高峰リーグ、スーパーラグビーへの日本の参戦準備の遅れなどを理由に、開催地を"強奪"しようと…

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