不適切販売、全容解明遠く かんぽ問題で中間報告

2019/9/30 23:00
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日本郵政グループが30日に発表したかんぽ生命保険の不適切販売をめぐる調査の中間報告では、契約時の虚偽説明などの悪質な手法が多数みつかった。保険業法違反の可能性がある事例は金融庁に届け出てきた件数から大幅に膨らむ。不利益を与えた疑いのある18万3千件の4割弱しか調査できておらず、全容解明にはほど遠い。

記者会見する日本郵政の長門社長(左)とかんぽ生命保険の植平社長(30日、東京・大手町)

かんぽの植平光彦社長は記者会見で1400件もの法令違反の疑いが浮上したことについて「顧客本位が徹底されていなかったと痛感している」と述べた。同社が金融庁に届け出てきた法令違反は年20件程度。仮に1400件全てが法令違反と確定すれば大規模な報告漏れが起きていたことになる。

具体的には「新契約を結んで半年間は旧契約を解約できない」と虚偽の説明をして保険料を二重徴収した事例が多かった。逆に旧契約の解約から3カ月間は新契約に加入できないとの虚偽説明で顧客を無保険状態に置いた事例もあった。顧客に契約の変更を勧めながらも、旧契約の解約後に新契約に乗り換えできなかった事例も確認した。

全体像は把握できていない。かんぽは不利益を与えた疑いのある18万3千件の全顧客15万6千人に8月末までに調査に向けた案内を文書で送付した。本格的な電話や訪問調査を始めてから1~2カ月だ。連絡がついたのは8万9千人。調査に協力する意向のない顧客も1万8千人いる。

3千万件の全契約を対象とした顧客の意向確認は9月20日に返信用はがきを同封した書面を送り終えたばかりで、返信は68万通にとどまる。

同日公表した外部の弁護士でつくる特別調査委員会の報告書も高齢者向けが中心の商品ラインアップや現場の実力に見合わない営業目標などを不適切販売の原因として挙げたものの、まだ具体性は乏しかった。

日本郵政の長門正貢社長は記者会見で「1人残らず最後の1円まで不利益を解消する。1日も早い信頼回復に全身全霊を傾け打ち込むことが経営責任だ」と述べ、辞任は否定した。植平氏と日本郵便の横山邦男社長も顧客対応や再発防止に取り組むとし、辞任を否定した。

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