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人間洗濯機、70年に描いた未来社会(古今東西万博考)

1970年・大阪 三洋電機が出展

1970年大阪万博で最も話題を集めた展示の一つが、三洋電機(現パナソニック)が出展した人間洗濯機「ウルトラソニックバス」だ。人が頭を出した状態で直径2メートルほどのカプセルに入ると、前後のノズルから温水シャワーが出て、超音波で発生させた気泡で体を洗う。最後に温風を吹き付け乾燥までを全自動で行う装置だ。

乾燥時は赤外線と紫外線で血行を良くし、殺菌も行うという。突起のついた色とりどりのマッサージボールが水中で動き、洗浄効果を高めて体をほぐす機能もあった。流線形のカプセルは当時の人が夢見た「未来社会」をうかがわせる。展示の際はモデルが実演し、一目装置を見ようとする大勢の来場者で連日にぎわった。

万博に向けた展示品を検討する際、当時の会長で三洋創業者の井植歳男氏が「自分を洗う洗濯機を作ってはどうか」と提案したのが始まりだった。展示後の販売価格は約800万円。当時の高卒初任給は約2万円なのでかなりの高額だが、パナソニックミュージアム(大阪府門真市)の川原陽子副館長は「正確な記録は残っていないが、数台が売れたと伝わる」と話す。

人間洗濯機はその後、介護用入浴装置を開発するヒントになった。介護用品開発会社の社長で、自身も筋肉が衰える難病である筋ジストロフィーを患う春山満氏と、三洋社内に残っていた万博当時の設計者らが協力して開発に着手。2003年に介護用浴槽として発売した。その後、経営難に陥った三洋がパナソニックの傘下に入り、介護用浴槽の販売はなくなった。人間洗濯機はパナソニックミュージアムの「ものづくりイズム館」で一般公開され、当時の熱気を今に伝えている。

(三浦日向)

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