イエメンの親イラン組織 「サウジへ最大の攻撃」
武装勢力フーシ サウジ・イランの対立強まる

イラン緊迫
2019/9/30 17:29
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【ドバイ=岐部秀光】内戦が続くイエメンで、親イランの反体制武装勢力フーシは9月29日、暫定政権側を支援するサウジアラビアに対して「過去最大の攻撃」をしたとして、破壊した車などの映像を公開した。サウジ側はこれを確認しておらず、真偽は明らかではないが、サウジとイランの対立をめぐる中東の緊張がさらに高まりそうだ。

フーシ派が29日公開した、大破し炎上する軍用車両の映像=ロイター

フーシは25日までにサウジ南部ナジュラーン州に攻め込み、多数の兵士もとらえたと主張している。フーシが公開した映像には大破して炎上する軍用車両や押収したとする武器のほか、投降したとみられる兵士の姿が映っている。

サウジは2015年、当時国防相だった実力者ムハンマド皇太子の決断で、アラブ首長国連邦(UAE)とともに内戦に介入した。7万人以上が死亡し、深刻な人道危機をもたらした内戦は、イランとサウジの「代理戦争」と呼ばれ、出口の見えない泥沼の状況に陥っている。

サウジの国防費は米国、中国に次ぐ世界3位の多さで、世界で最も多くの武器を輸入する国でもある。今回のフーシの主張が本当だと確認されると、疑いが向けられているサウジの防衛力のもろさを改めて印象づけることになりそうだ。

フーシは14日、サウジ東部の石油施設を無人機と巡航ミサイルをつかって攻撃したと発表した。サウジのミサイル防衛システムはこれらをほとんど撃墜できず、世界の6%に相当する石油生産が止まり、大混乱をもたらした。米政府はサウジの防衛能力を強めるため、部隊の増派を決めた。

一方、イランはフーシに武器を渡したり戦闘員を訓練したりしている。8月には最高指導者ハメネイ師がフーシの幹部をテヘランに招き、正式に支援していることを内外にアピールした。

イランもサウジも直接の衝突をのぞんではいない。だが、行き過ぎた挑発や過剰反応が偶発的な衝突をまねく懸念は高まっている。

イランには多くの実戦経験があり、戦争となればサウジを圧倒できると踏んでいるもようだ。サウジは米国の助けを頼みとする。だが、トランプ米大統領は中東への関与を減らそうとしており、有事の際にどれくらい米国が支援してくれるのか、サウジには不安もくすぶる。

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