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無人機対策、研究急ぐ 防衛省 サウジ攻撃で拍車

防衛省が無人機による攻撃対処の研究を急いでいる。サウジアラビアで起きた石油生産施設への攻撃で脅威を改めて認識し、小型化で探知しにくい特徴などへの対応策を強化する。高出力レーザーで機体に熱を当てて落下させる方法や、妨害電波を出し飛行能力を無力化する技術を開発中だ。

河野太郎防衛相はサウジの石油施設への無人機攻撃を巡り「無人機の技術が進んでいる。価格が安くレーダーにも映りにくい」と語る。「ゲームチェンジャー的な要素もある」とも指摘し、形勢を一変させる要素をはらんだ技術だとみる。

無人機は無線による遠隔操作やプログラムに沿った自動操縦で動くのが一般的だ。有人機に比べ攻撃側のリスクが低い。サウジ国防省の発表では、石油生産施設の攻撃に18機の無人機が同時投入された。機体が群れになって行動すれば攻撃能力は高まる。

中国やロシアの先端技術活用にも危機感を強めている。防衛省は2019年版防衛白書で、中国が人工知能(AI)を搭載した自律型無人機を同時に多数飛行させる「スウォーム(編隊)飛行」技術の確立を進めていると指摘した。無人機同士が補完し合い、司令部の指示を待たずに任務にあたることができる。中国は18年に200機の同時飛行に成功している。

防衛省が研究している高出力レーザーを使った対処方法では、無人機に熱を当てて羽根や機体の制御部分を破損させ、墜落させる。火薬を使った弾丸で機体を撃ち落とす方法は弾丸数が限られるため無人機が大量投入されれば対応しきれないとの懸念がある。23年度までに研究を終えて装備品に搭載できる水準に引き上げたい考えだ。

電波を無人機に照射して誤動作を誘発し、機能を無効化する方法の研究にも着手した。無人機はコンピューターで制御されており、その動作システムに影響を与える妨害電波を発して通信回路を遮断する。20年度中に研究を終える方針だ。

いずれも自衛隊が使う車両や航空機、艦艇への搭載を目指す。実用化するかどうかは改めて判断する。こうした技術は米国でも確立できていないという。

事前に無人機の侵入を探知する自動警戒管制システムも強化する。小型化でレーダーで捉えにくいため、防衛省は無人機が発する電波を収集し早期発見する技術を確立する。20年度予算案に関連経費を盛り込む予定だ。

防衛省の担当者は「無人機の活用はサウジで使われたドローンに限らず、航空機や艦艇、潜水艦にも広がっている。脅威は高まる一方だ」と指摘する。日本に限らず、攻撃の性能の進化に防御能力の開発が追いついていないのが現状だ。

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