最後のセンター、出願開始 共通テスト敬遠で安全志向

大学
2019/9/30 11:32
保存
共有
印刷
その他

願書をチェックする大学入試センターの職員(30日午前、東京都目黒区)

願書をチェックする大学入試センターの職員(30日午前、東京都目黒区)

来年1月18、19日に実施される大学入試センター試験の出願受け付けが30日始まり、受験シーズンが本格的に幕を開けた。大学入学共通テストへの移行に伴い、センター試験はこれが最後。受験生の間では共通テストを敬遠し、志望校を妥協してでも浪人を避ける傾向が例年より強まっている。いち早く合格が決まるAO・推薦入試の人気も過熱しており、"超安全志向"の様相だ。

東京都目黒区の大学入試センターでは30日朝、職員が各地から届いた願書の開封を開始。記入内容を丁寧にチェックした。センター試験への参加は国公私立大705校、公私立短大151校を見込む。出願は郵送で受け付け、10月10日の消印まで有効だ。

「浪人したら共通テスト対策を最初から始めなければならない。絶対に現役合格したい」。都内在住の私立高校3年の男子(17)が意気込む。難関私立大が第1志望だが、センター利用入試を使い、難易度が低い大学も広く受けるという。

河合塾の今夏の模試を基にした分析では、国公立大の全体の志望者数は前年より3%減るが、難関10校は5%減と落ち込みが大きい。

私立大は全体で2%増のところ、「早慶上理」(早稲田、慶応、上智、東京理科)は5%減、「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)は7%減と有名大は軒並み減った。

他の中堅大も減少傾向で、同塾の岩瀬香織・教育情報部チーフは「安全志向がより強まっている」と話す。

原因の一つが2021年1月に始まる共通テストだ。国語と数学で記述式を導入。英語は民間試験の成績が活用される予定だが、試験会場や日程で未確定部分が多い。新たな対策が必要になることや先行きの不透明さから、受験生が慎重になっているようだ。

入学定員を大幅に超過しないようにした国の規制強化の影響もあるとみられる。各大学が最小限度の合格しか出さなくなり、従来は合格した成績でも不合格になるケースがここ数年で続出。難関・中堅の大学が難化した印象が広がっている。

逆に人気が過熱しているのが、年内にも合否が決まるAO入試や推薦入試だ。都立高の男子高校生(17)は一時、指定校推薦を考えた。「志望校のランクを少し下げてでも早めに合格したかったが、推薦は人気が高くて通る気がせず、諦めて一般入試にした」という。

AO・推薦入試対策をうたう「早稲田塾」(東京)は19年度の受講者数が18年度より3割程度増えた。昨年度の伸びは2割程度。大沢雅紀執行役員は「今年は浪人が難しいことを常に生徒に言っている。どの入試形態でも早めに対策を始める生徒が多い」と話す。

「指定校推薦が取れたので出願を取り下げたい」。都内のある私立大の入試課には、AO入試に出願した高3生から辞退の電話が相次いでいる。辞退の連絡は昨年の倍ほどに増えており、担当職員は「不合格になる可能性が残るAO入試を避けている」とみる。

ある都立高の校長は「ただでさえ近年の生徒は上位校にチャレンジしたがらない」とぼやく。既に約4割の生徒はセンター試験に出願しないと決めたが、「安易に推薦やAO入試に流れないよう声をかけたい」という。

河合塾の岩瀬氏は「各大学で定員調整が進み、19年春からの合格者数の絞り込みはほとんど無いだろう。消極的にならず納得のいく大学を選んでほしい」と話している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]