「サウジ兵拘束」映像公開 イエメンの親イラン組織
攻撃作戦でと主張
【カイロ=共同】イエメンの親イラン武装組織フーシ派は28日、同派系メディアを通じ、イエメン内戦に介入している隣国サウジアラビアの南部ナジュラーン州近くで攻撃作戦を実施、サウジ兵らを多数拘束したと主張した。29日には拘束したサウジ兵の姿だとする映像を公表した。

イスラム教スンニ派大国サウジはフーシ派を支援するシーア派大国イランとの対立を深め、14日の石油施設攻撃でもサウジはイランの関与を疑い情勢が緊迫した。兵士らの拘束が事実なら、両国関係が一層緊張するのは確実だ。
サウジ主導の連合軍は29日、フーシ派がイエメン領内からミサイルを発射したがサウジまで届かずに落ちたと発表したが、兵士の拘束には言及していない。
映像では、サウジ側とする軍用車が銃撃を受ける様子や、死傷した兵士、少なくとも10人はいるとみられる拘束された兵士、押収された多数の銃器が映っている。
サウジ軍の「2千人以上」を拘束し多数を死傷させたと主張。ただ、拘束者の大部分はサウジ軍に協力した「裏切り者のイエメン人だ」と指摘した。フーシ派報道官は「過去最大の作戦」を実施したと述べた。
サウジは2015年、イエメン内戦でハディ暫定政権を支援してアラブ首長国連邦(UAE)とともに軍事介入し、フーシ派への空爆を行ってきた。
今年に入りフーシ派からサウジ施設への無人機攻撃などが拡大。14日の石油施設攻撃では、フーシ派が犯行声明を出したが、サウジはイランが位置する北方からの無人機やミサイルが襲来したとの見方を発表。フーシ派は20日、サウジに対する無人機やミサイルでの攻撃を停止すると発表した。