住友化学、南米の農薬事業買収 米中摩擦にらむ

2019/9/30 2:30
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ブラジル産大豆の輸出量は年間7600万トンで、米国を上回り最大だ=ロイター

ブラジル産大豆の輸出量は年間7600万トンで、米国を上回り最大だ=ロイター

住友化学は世界最大の農薬市場である南米を開拓する。オーストラリアの農薬大手、ニューファームの南米事業を約800億円で買収して大豆の除草、殺菌剤を販売する。世界の人口増加で食料需要が伸びるうえ、米中貿易戦争で南米の農産物の存在感が高まっているためだ。住化は買収後、南米の農薬事業が北米を上回り最大となる。

ニューファームの南米事業の売上高は約700億円。住化は年内にも買収を終え、現地の販売会社や工場を取得する。ブラジルやアルゼンチンの販売網で主力の除草剤などを扱う。ブラジルで初めて工場を持つことになり、供給体制が整う。

南米は大豆やトウモロコシの主産地だ。特にブラジルは世界最大の大豆輸出国で、米農務省によると年間7600万トンある。南米の農薬市場は142億ドル(約1兆5300億円)にのぼり、世界の4分の1を占める。

米中貿易戦争で、中国は2018年7月に米国産大豆に25%の追加関税をかけ、19年9月から30%に引き上げた。中国で輸入先をブラジルに変える動きが広がっている。あらゆる商品に関税をかけ合う両国の摩擦が長引けば、企業の調達網に加えM&A(合併・買収)戦略に影響がおよぶ。

住化の農薬事業の売上高は19年3月期に約3000億円だった。北米が3割強を占め、南米は約300億円にとどまる。買収によって南米事業は1000億円を超す規模になり、北米を上回る稼ぎ頭となる見通し。

今後、殺菌剤などの大型商品を投入し、25年の売上高を買収直後の5割増にあたる1500億円まで高めたい考え。

世界の農薬市場では再編が活発だ。ドイツのバイエルは18年、米モンサントを買収して世界最大手となった。19年6月には、米ダウ・デュポンの3分割を経て農業事業会社コルテバ・アグリサイエンスが発足するなど、規模や技術力の向上を目指す動きが広がる。

住化は農薬事業で世界7位。これまで南米ではニューファームなど農薬会社の販路を使って営業してきた。自前の販売ルートを持つことで市場の開拓力が高まり、シェアの高い欧米勢に対抗しやすくなると期待する。

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