「総統選は中国との戦い」 台湾・蔡氏、リード保つ

2019/9/28 18:00
保存
共有
印刷
その他

28日、台北市内で開いた民進党大会に出席した台湾の蔡英文総統(中央)=AP

28日、台北市内で開いた民進党大会に出席した台湾の蔡英文総統(中央)=AP

【台北=伊原健作】台湾与党・民主進歩党(民進党)は28日、台北市内で党大会を開いた。2020年1月の次期総統選に再選を目指して出馬する蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が「今回の総統選は対岸(中国)との戦いでもある」と演説した。香港の混乱を受けて中国への警戒感が高まるなか、対中強硬姿勢を前面に打ち出して支持を取り込む構えで、野党候補に対しリードを保っている。

「(中国は)圧力を一段と強めるだろうが、絶対に屈服しない」。蔡氏は演説で強調した。党大会は年に1度で、総統選まで4カ月弱に迫る今回は選挙戦に向けた決起集会の位置づけだ。

総統選を巡っては16日に鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者、郭台銘(テリー・ゴウ)氏が出馬を見送った。11月までに小政党が候補を立てる可能性もあるが、独立志向を持つ民進党の蔡氏と、対中融和路線を掲げる最大野党・国民党の韓国瑜(ハン・グオユー)氏の有力2候補による対決が事実上の軸となる。

最大の焦点は中国との距離感だ。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は1月、香港と同じ「一国二制度」で台湾を統一する方針を明言した。だがその後、香港では「逃亡犯条例」改正案をきっかけとする抗議活動が激化し、混乱が深まっている。

台湾では香港の二の舞いになるのを避けようと中国と距離を置く機運が強まり、対中強硬姿勢を取る蔡氏に追い風が吹いている。国民党寄りの台湾主要紙「聯合報」が21日実施した世論調査では、蔡氏の支持率は45%と韓氏(33%)を12ポイントリードしている。

中国は親中的な国民党の韓氏を後押しする構えで、蔡政権への圧力を強める。16日に南太平洋のソロモン諸島、20日にはキリバスが相次ぎ中国と国交を結び、台湾側は断交を迫られた。だが世論調査では断交前の前回調査から蔡氏の支持率は1ポイント上昇した。

米国が台湾へのF16戦闘機の売却を決めるなど、蔡政権寄りの姿勢を強めていることも中国の圧力による衝撃を和らげている。台湾師範大学の范世平教授は「(中国が)断交などで圧力をかけても選挙への影響は大きくない」と話す。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]