ベトナムの7~9月GDP、7.31%増 対米輸出けん引

アジアBiz
2019/9/28 13:01
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【ハノイ=大西智也】ベトナム統計総局が28日発表した7~9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比7.31%増となった。米国との貿易摩擦を抱える中国からの生産移管が一段と進み、主要輸出品目のスマートフォンなど対米輸出が増えた。世界景気が鈍化する中でも、米中貿易戦争の恩恵を取り込んで高い成長率を維持している。

米中貿易戦争の影響で、ベトナムからの対米輸出は大きく伸びている(ベトナム北部 ハイフォン市)

成長率は有力調査機関のベトナム経済・政策研究所(VEPR)の予測である7.06%を上回った。1~3月期(6.82%)や4~6月期(6.73%)の実績も上回った。アジア開発銀行(ADB)は19年通年のベトナムの経済成長率予想を6.8%としている。

成長をけん引するのは米国向けの輸出だ。ベトナムの対米輸出額は東南アジアで最大で、1~9月は前年同期比で28%増となった。輸出全体を1943億ドル(同8%増)に押し上げた。総輸出の約25%を占める韓国サムスン電子は中国でのスマホ生産を減らし、ベトナムで代替生産を増やしているもよう。主要輸出品である衣服も伸びている。

ベトナムの対米輸出の増加に米国は懸念を示している。米財務省が5月に公表した為替報告書ではベトナムを「監視対象国」に指定した。中国の制裁関税を回避するため、ベトナムを経由する違法な「迂回輸出」が増えているとみられ、米国がベトナムにも中国と同様の制裁を課す可能性もある。

中国の人件費上昇を受けて、ここ数年中国から東南アジアに生産を移管する企業が増えている。18年7月に米国が対中制裁関税を課して以降、その流れが加速しており、ベトナムは地理的メリットや豊富な労働力などを背景に有力な移転先になっている。

ベトナム国家銀行(中央銀行)は16日から主要政策金利を0.25%引き下げ6.0%にした。利下げは約2年ぶり。世界経済の成長鈍化がベトナム経済に波及する影響を和らげるため、経済の下支えを狙っている。

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