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業績ニュース

JDI、空疎な再建総会
離脱の中国勢との交渉 前提に議決

2019/9/27 21:38
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ジャパンディスプレイ(JDI)の臨時株主総会の会場を案内する看板(27日午前、東京都港区)

ジャパンディスプレイ(JDI)の臨時株主総会の会場を案内する看板(27日午前、東京都港区)

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)が27日、都内で開いた臨時株主総会は異例の展開となった。800億円の金融支援を受け入れるための新株発行などの議案などを可決した。ただ、26日に資金拠出を見送ることが明らかになった中国ファンド、嘉実基金管理グループとの「交渉を続ける」との前提を置いたうえでの可決で、金融支援の実効性は揺らいでいる。再建に向けた現実的な対応は示せておらず、経営の先行きは一段と不透明になってきた。

嘉実と香港ファンド、オアシス・マネジメントで構成する中国企業連合による金融支援のうち、500億円強と最大の資金の出し手になるはずだった嘉実が総会直前に撤退の意向を示した。「ガバナンスの見解の不一致」などが理由で、取締役人事の選任過程に不満があったようだ。

JDIが可決した4つの議案のうち、1~3号議案が金融支援に絡むものだ。800億円相当の新株発行などの承認を得たものの、「資金の出し手は見当たらない」状況だ。4号議案は新社長を含む役員選任案で、「経営者不在」を避けるため、JDIは臨時総会を開催するほかなかった。

「前日の発表で非常に混乱を招いたことをおわび申し上げる」。新社長に選ばれた菊岡稔氏はこう陳謝した。「なぜ二転三転するようなところに支援を頼まないといけないのか。屈辱だ」「無責任だ。役員報酬なんてなくて当たり前だ」。株主からは怒号が飛んだ。

JDIは再建策の練り直しが必要になる。オアシスから1.5億~1.8億ドルを調達し、米アップルが検討している1億ドルの支援を2億ドルに増額する分などと合わせ、10~11月までに計4.3億ドル(約460億円)の確保をめざす。新たな出資者が見つかるなどすれば、改めて株主総会を開く方針だ。

JDIの収益力は悪化し、2019年3月期は本業で稼ぐ現金、営業キャッシュフローが60億円超の赤字となった。普通に事業を続けていると現金が流出してしまう状態であることを示す。自己資本は19年6月末で790億円超のマイナスと、連結ベースで債務超過に陥っている。

アップルや筆頭株主である官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)からの追加支援で、当面の資金繰りは問題ないとみられる。ただ、5月ごろにはJDIの関係者の間で、「(企業連合からの)金融支援がまとまらなければ、法的整理の可能性もある」との声があがる場面もあった。

専門家からは「法的整理には負債が軽くなり、新たな出資者を探しやすくなるといったメリットがある」(企業の破綻処理にくわしい弁護士)などとして、経営上のひとつの選択肢になりうるとの声が出ている。

経済産業省はJDIの持つパネル関連の技術が競合他社への優位性を失っていると見ている。かつては「日の丸液晶」の旗を掲げたが、今では外部資本による同社の救済を静観する構えだ。菅原一秀経産相は27日、閣議後の記者会見でJDIの今後について問われ「相手との調整もこれから行われるので、まずは状況を見守っていきたい」と述べるにとどめた。

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